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Cold Sun / Dark Shadows (1970)

coldsun
Cold Sunというグループです。その幻のアルバム作品と呼ばれている『Dark Shadows』(1970)です。
テスト・プレスされたアセテート盤がようやく正規にCD化されたのが数年前、という代物です。これはつまり、レコード・デビュー未満の自主制作な訳ですよね。まずはその存在やあらまし自体が謎のサイケデリック・ロックですね。


もっと豪腕を振るうような重たいサイケデリック・ロックだろうと勝手に想像していたのとは随分と違いまして。歌声はむさ苦しいですし、録音のせいなのか音自体に迫力が欠けるような気がします。
それでも思わず首っ引きになって聴き入ってしまう魔力を充分に持った音なんですね。鳴り止まないオートハープや手数の多いドラムス、蛇の舌がちろちろと這うような変幻自在のギター音にとにかく痺れてしまいます。衝撃的です。ただちにそのめくるめく幻想的な音像の虜です。


M1「South Texas」からして一気に引き込まれてしまいます。
時空が歪むように混沌としながらも強烈な磁場が築かれています。不気味ではありますが嵌まると抜け出すことが難しそうなんですよね。ふとした隙に傍らに限りなく広がる暗黒面に足を踏み外しそうで恐ろしい音です。


起承転結があるようでいてやはりないだろうなというM3「Here In The Year」は危険ですね、問題ありです。特に9分弱にも及ぶ尺の長さが高揚感をますます増幅してくれますよ。こんなのを大音量で浴びせられたらば頭がおかしくなってしまいますよ、きっと。この酩酊感と言ったらほかにないものです。
反対に11分以上もある最後のM7「Ra-Ma」の方は脈絡のなさが災いをしているようですね。


ギター・リフが特に格好良いM4「For Ever」とM5「See What You Cause」では逐一、目眩を起こしそうな感覚にさせられるますし。
叩き付けるような激しい演奏のM6「Fall」も最高です。


同郷であり先輩でもあるThe 13th Floor Elevatorsと同じような臭いと言いましょうか、確実に相通じる如何わしさがありまして、これまた納得といったところではありますね。
いつの間にかすっと懐に忍び込んで内側から巣食うかのような音です。


追加収録されたライヴ音源であるM8「Live Again」とM9「Mind Aura」は1972年の録音ということなので、しつこく地道に活動を続けていたんですね。生々しい演奏を体験することが出来ますよ。


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プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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