大阪 ソウルバラード (2003)

『大阪 ソウルバラード』(2003)というオムニバス盤を久しぶりに聴いてみました。
収録曲のいくつかはいつかどこかで耳にしたことがあったんですが、それまできちんと聴いたことがなかったですよ。
序盤からM1「やっぱ好きやねん」やしきたかじん、M2「悲しい色やね」上田正樹にM3「大阪で生まれた女」BORO、そしてM4「酒と泪と男と女」河島英五と連発されたら参ったするほかないですよね。この辺りの名曲を聴いておきたくて本盤を手に取った訳ですので。こういう場合の関西弁というのは沁みますね、凄く。
ただし、M4「酒と泪と男と女」については『酒場ロック』(2003)収録版と比べてどこか垢抜けた編曲なのでこちらは再録音なのでしょうか。
憂歌団のM6「大阪ビッグ・リバー・ブルース」についても苦手な編曲と音ですが、さすがに歌に宿っているものがありますよね。
いちばん好きなのはM8「なめとんか」やしきたかじんでしょうか、やはり。
M1「やっぱ好きやねん」、M14「大阪恋物語」でも勿論なんですがその澄み切った歌声の素晴らしさについては今さら言うに及ばずのはずですよね。
M9「いじめやんといて」でのトミーズ雅、強面の元ボクサーに似合わない歌の巧さなんですね。ある意味、卑怯ではないですか。本盤を聴かなければ一生知らないままだったでしょう。
この『大阪 ソウルバラード』最大の目玉はファンキー・プリンスのM15「おやすみ大阪」に決まりですね。GS末期の典型と言いましょうか、これは限りなく歌謡曲に取り込まれてしまったデビュー曲でもあるんですが出だしから轟くファズ・ギターと切ないコーラスが醸し出す絶妙な不釣り合い具合にはどんどん引き込まれてしまいます。この奇跡的な1曲には本当に特筆すべきものがありますね。
こんな甲斐性のない大人を泣かせてどうするというくらいに惜しげもなく名曲がずらりと揃っています。今もって大阪に対して特別な思いはございませんが、これほどまでに哀愁が溢れ返る街に1度は訪れてみなくてはなりませんね。
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