Ruthann Friedman / Constant Companion (1969)

今度はRuthann Friedmanの『Constant Companion』(1969)というアルバムです。先のエントリのJudee Sillと相通じる音楽であると感じるんですよね。
旧ブログからの転載です。
The Associationがヒットさせた「Windy」(1967)の作者として知られるRuthann Friedmanが奏でる、実に素晴らしいアコースティック・ギターの弾き語り作品でもある唯一のアルバムです。
一見、大変地味に感じられるのかも知れませんが、収録曲のほとんどが彼女自身の芯の通った清々しいギターと瑞々しくも儚い歌声のみで形作られているために、その存在感が輪をかけて際立っています。
また、微かに漂うサイケデリックな風味に鼻腔が刺激されます。
じっくりと耳を傾けてみますとソングライターとしての資質は言うまでもなく、純粋にフォークシンガーとしての並々ならぬ実力を存分に味わうことが出来る初CD化作品です。
何かにつけてVashti Bunyanの名が引き合いに出されるようですが、それはお門違いな物言いなのではと感じます。それならばJoni Mitchellか、Judee Sill辺りの系譜の一端を成しているというのが妥当な線でしょう。
Van Dyke Parks編曲というシングル曲M13「Carry On (Glittering Dancer)」が追加収録されています。
Van Dyke Parks愛好家にとっては興味を大いにそそられるような奇天烈サイケデリック・ポップのため、本作からは明らかに浮き上がっていまして、個人的には蛇足にしか思えません。
時たま、のっぴきならない復刻作品を発売するレーベル、Waterから今後も目が離せません。
という訳で取り急ぎ勢い余って取り上げてみました。この手合いの女流シンガー・ソングライターにつきましては『Wayfaring Strangers: Ladies From The Canyon』(2006)というオムニバス盤にも注目なんですよね。