浮世絵師
印象派にもその影響を与え、『LIFE』誌では“この1,000年で最も重要な功績を残した世界の人物 100人”に選ばれるなどとんでもない才能の持ち主であることは周知の通りですよね。
「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の絵葉書なんかを購入した憶えがあります。
ぱんややーん〜!
平たく言うとジャケット・デザインに釣られました。
発売当時まだまだ割高だったイギリス盤CDを試聴もせずに購入した訳ですが、案の定打ち込みサウンドが肌に合わずに2年以上放置していました。
サンプラーと定番のシンセサイザー、そして生楽器を少々駆使することによってそれなりの安っぽさを獲得しとろけるような女性ヴォーカルを包み込めば、そこには忽ちスウィンギン’80sの匂いが立ち籠めます。
間奏曲を交えた流れには減り張りがあり、完全に解体されたM2「Only Love Can Break Your Heart」Neil Youngをはじめ、胸躍るM6「Spring」やM9「Nothing Can Stop Us」、ひんやりとしたM11「London Belongs To Me」などが秀逸です。
今以て彼らが現役として活動していることに驚きを禁じえません。
BMX Banditsにとって2枚目のシングルです。内容と何ら関係のないジャケット・デザインなのですが、彼らのディスコグラフィーを振り返ってみますと割とまともな方です。
手持ちのシングルは4曲入りの12インチ盤でして、本作からべーシストにJoe McAlinden、ドラマーにFrancis Macdonaldがそれぞれ正式にグループに加入しました。
約10年後に出戻るJim McCullochがThe Soup Dragons結成のために去って行きますが、ここでBMX Banditsにとって磐石の布陣が整った訳です。
M1「The Day Before Tomorrow」と言えば、実はStephen Pastelが彼らのデビュー・シングルに相応しいと考えていたものの、最初の録音が不調に終わったために『Sad?/E102』に差し替えられたという曰く付きの1曲です。
Stephen Pastelが推していただけあって、素直でわかり易い旋律と心温まる演奏が奏功しています。
M2「What A Wonderful World」は勿論、Louis Armstrongの名唱で有名な「この素晴らしき世界」のカヴァーです。
恐ろしいまでに気の抜けたこれ以上にないほどの脱力カヴァーに仕上がっていますが、芸達者なJoe McAlindenによるヴァイオリンが大活躍する名演と言えるのではないでしょうか。勿論、歌い手としてのDuglas T. Stewartも面目躍如です。
M3「Johnny Alucard」はいつものパーティー・バンドぶりを発揮させたはちゃめちゃな1曲です。
この直後に謎の偏執的なシュプレヒコールのようなものが挿し込まれています。
M4「Sad!」は件のデビュー・シングル『Sad?/E102』に収録されている「Sad?」の勢いを抑え込んだ再録音ヴァージョンです。平たく言うと落ち着いたボサノヴァの感触が特徴です。
個人的にはやはりこちらのM4「Sad!」の方が耳馴染みが良いことに変わりありません。