The Flaming Lips / Clouds Taste Metallic (1995)

今回のThe Flaming Lipsは『Clouds Taste Metallic』(1995)です。
ノリノリになって聴いていましたので、地震には気が付きませんでした。
1曲目の「The Abandoned Hospital Ship」から軽やかな鍵盤が踊っていたりしまして、いつもと様子が違うなというのが判るんですけれど。どうやったってWayne Coyneの歌はヘロヘロですし、すぐに歪みに歪んだギターの音色が切り込んで来まして。スネア・ドラムの音が大きいのは相変わらずですね、微笑ましいくらいです。
と思いきや終盤に向かってチャイムが鳴り響くという意外な展開が待っていましたよ。
アルバム1枚を通して突っ走る疾走感が感じられるのは次のM2「Psychiatric Explorations Of The Fetus With Needles」やM8「Kim's Watermelon Gun」くらいなのは良しとしまして。
前作の『Transmissions From The Satellite Heart』(1993)と地続きなのはこのひしゃげた音像から納得ですし、シングル曲のM4「This Here Giraffe」の飄々とした佇まいも独特なんですよね。
じわりと効いて来ますね、これは。病み付きになりそうです。いや、なりますね。新発見ですね、確実に病み付きになりますよ。
とにかく気持ちイイ!
例えば美しいコーラスが入る意外と滋味深いことこのうえない「They Punctured My Yolk」、それに柔らかくほぐれてとろりと熟したM12「Evil Will Prevail」での盛り上げ方は後の作風に通じるものがありそうですよ。
前代未聞、壮大にふざけ通した4枚組のあの『Zaireeka』(1997)を経まして『The Soft Bulletin』(1999)で突然変異的に大化けした訳ではなさそうですよ。
最後は『Providing Needles For Your Balloons』(1994)にも収録されたものとは大して変わらないヴァージョン違いの「Bad Days (Aurally Excited Version)」。
相変わらずほんわかのんびり、そして、またしてもスネア・ドラムの音が大きくてと。
見直しました、惚れ直しました。どちらかと言いますと今まで決して贔屓にしていたアルバムではなかったんですが、一気に名盤の殿堂入りに決定でございます。
くよくよしている時に聴いてみるのも正解ですね。
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