The Byrds / Sweetheart Of The Rodeo (1968)

The Byrdsの傑作アルバム、『Sweetheart Of The Rodeo』(1968)です。ナッシュヴィル録音を含むGary Usher制作ですね。
今まで『Younger Than Yesterday』(1967)をいちばん気に入っているとか言っておきながらも、やはり、このカントリー・ロックの金字塔は絶対でしょう。
今回の『Sweetheart Of The Rodeo』はリハーサル・テイクを含んだ8曲や“これがあのThe Byrdsなのか!?”CMが追加された1997年リマスターCDでございます。
12年前、本盤までのThe Byrdsの諸作をSundazed のBob Irwin監修のこのシリーズで一気に買い集めたのでした。
The Bandとの“地下室セッション”での産物だったBob DylanのM1「You Ain't Goin' Nowhere」から始まり同じくBob DylanのM11「Nothing Was Delivered」で終わる本盤には新加入のGram Parsons作のM7「Hickory Wind」(同じThe International Submarine BandのメンバーだったBob Buchananとの共作)とM8「One Hundred Years From Now」のふたつだけがオリジナル曲なので全般的にカヴァー曲ばかりですけれど。
当時としては斬新だったはずのロック・ミュージックへのカントリーの導入というものがごく自然に成されているのが簡単に判りますよね。その芳醇で豊穣な音に身を委ねてさえいればそれで良いのですから。
引き続きClarence Whiteも加わっているほかペダル・スティール・ギターやフィドルの音色などは勿論のこと、残されたRoger McGuinnとChris Hillmanによるバンジョーやマンドリンがほんのりどころか大胆に彩りを添えていまして。
何というふくよかさでしょうね。やむなくほっこり思わずうっとり、ですよ。
それから、ロック・ミュージックとカントリーの結びつきの裏側にはソウル・ミュージックの存在もしっかりとあったという事実ですね。
Otis ReddingもカヴァーしたM4「You Don't Miss Your Water」、もともとはStax RecordsのWilliam Bellによる自作曲にしてデビュー・シングルのB面曲だった訳ですよ。
今でこそごく普通に聴かれているカントリー・ロックなるものですけれども。Gram Parsonsというひとりのミュージシャンがもたらした音楽的な恵みは想像以上に豊かで大きなものだったのですね。
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