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The Zombies / Odessey And Oracle (1968)

odesseyoracle
前回に引き続きましてThe Zombies、Decca RecordsからCBSへと移籍してのアルバム、『Odessey And Oracle』(1968)です。
世紀の大傑作であることに異論はない1枚ですよね。グループ名とはかけ離れた芸術的なまでに美しい音像はAbby Road Studiosでの苦労の賜物とも言えそうでしょうか。


M11「Friends Of Mine」、M1「Care Of Cell 44」とシングルが不思議なことに不発に終わりまして、グループの将来を悲観したColin Blunstoneらが脱退した後にRod ArgentChris Whiteがどうにかセッション・テープをアルバムの形にまとめたものの、解散までして失意のどん底にあった本人たちも蚊帳の外の金字塔扱いですものね。
発掘したAl Kooperの功績も勿論、大きい訳ですけれどもそれまで反響も芳しくなくおざなりにされていたことの罪の方が大きいのではないかとも思います。


再発CDには何種類もありまして、迷っているのも面倒ですので可能な限り買い集めているのですけれど、大抵はBig Beat盤を手近なところに置いております。
そんなステレオ、モノラル両ミックス同時収録の本盤を改めて聴いてみますと、大名曲のM12「Time Of The Season」が浮き上がっているように感じられますね。輪をかけて格の違いを見せつけるような1曲であるのは間違いないところではあるんですが、延々と続くかと思われる続いても良い続いて行って欲しい本作の流れをぴしゃりと締めてくれるのがこのM12Time Of The Season」しかないとも感じましたよ。


ピアノやメロトロンを大胆に使いコーラス・ワークをふんだんに散りばめたうえで、The Beach Boysの『Pet Sounds』(1966)からも大きく影響を受けた思しき本作の麗しさの中にありまして、やはりこのM12「Time Of The Season」は意外とブルースの香りが匂い立つとういのが特徴的ですよね。
極上のメロディーの向こうを張って、オルガンが幅を利かせてビヒャビヒャと轟いていいるのは何とも痛快です。


また、別テイクも追加収録されているのですけれども、コーラスがばっちりと決まるそのサビの部分で驚いてしまいますね。スネア・ドラムの連打が入っているのですから。


切なさ全開のM6「Hung Up On A Dream」も大好きだったりするにもかかわらず、ついついほかの収録曲には触れず仕舞いではありますが、カヴァー曲が中心だった前作の『Begin Here』(1965)とは打って変わりまして、究極のポップ・ミュージックがここにあります。


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The Zombies / Begin Here (1965)

beginhere
The Zombiesのデビュー・アルバム、『Begin Here』です。
現行盤CDにはボーナス・トラック満載で逆にありがたみが感じられない、なんてことはないですよと。


R&Bを土台にしたローカル・バンドのひとつだったというのはこの時期のブリティッシュ・ビートの共通認識ではありますが、一聴して端正で行儀の良さが目立ちますよね。R&B臭も薄めですし。


M4「The Way I Feel Inside」なんてのはオルガンだけをバックにColin Blunstoneが歌い上げるという簡素なものなんですけど、胸に迫るものがありますよ。次のM5「Work And Play」は一転してハープを前面に押し出した泥臭いインストゥルメンタル曲、そして「You've Really Got A Hold On Me」と「Bring At Home To Me」というメドレーをきっちりとぶちかましてくれます。


そして、満を持してのデビュー・シングルにしてヒット曲となったM7「She's Not There」の登場と相成るのです。上手い具合に緩急をつけて飽きさせない流れを作り出していますよね。


数多く収録されているカヴァー曲で言えば、次のM8「Sticks And Stones」ではオルガンが効果的に使われていますし、つんのめったビートのM14「I Got My Mojo Working」での奮闘ぶりが微笑ましいです。さすがにManfred Mannの黒さには及ばないところだったりしますので。


最後まで聴き通してみますとやはり、The Zombiesにはシングル曲、M15「Tell Her No」のような路線がぴたりとハマるという結論に落ち着くんではないでしょうか。
名曲カヴァーのM2「Summertime」でもそうなんですけれど、Colin Blunstoneのスモーキーな歌が活きて来る訳ですよ、M1「Road Runner」などよりも。


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UFO

思わず連想してしまうのは、Yo La Tengoの『And Then Nothing Turned Itself Inside Out』なんですね~。


そう言えば、新譜が発売されるんですよね。予約せねば。


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Heavenly / Operation Heavenly (1996)

operationheavenly
みんな大好きHeavenly


とうとう最後となってしまいました。計らずもHeavenlyにとって最後のアルバムとなってしまった『Operation Heavenly』(1996)です。


というのも本作完成直後に弟ドラマーのMattew Fretcherが自ら命を絶ってしまったからなのです。訳が判りません。Vinyl Japanからソロ・アルバムも発売したくらいなので、もう成すべきことがなくなったとでも?Heavenlyのドラマーには彼しかいないのに。


“ポップ・ソングはラヴ・ソングでなければならない”と言ったのは君だったはずだ。


これでHeavenlyは解散を余儀なくされたということです。残念ですね。凄く残念なことでした。
国内盤CDの帯にある“決行、ヘヴンリー大作戦!世界を夢で包んじゃおう”という甚句も涙で霞みますね。



その最後のアルバムはスプリット・シングルのM1「Trophy Girlfriend」から始まりまして、お次は何かに取り憑かれたような弾けっぷりのM2「K-Klass Kisschase」に面食らいつつ。
前作、『The Decline And Fall Of Heavenly』(1994)と同じような音の傾向ですね、輪郭のエッジは立っていますし歌声も力強いと。より骨太なバンド・サウンドです。『Heavenly VS. Satan』(1991)の頃とは見違えますね。


もうひとつのシングル曲、M3『Space Manatee』(1996)も勿論、本作にも収録されています。
ここでは少し浮いているかも知れませんね。ほかの収録曲もかつてないくらいに元気いっぱいに弾け飛んでいますので。そんなところからもこれで最後とは想像もつかなかった訳ですけれども。


この『Space Manatee』収録のカヴァー曲にも驚かされましたけども、今回もお楽しみが待ち構えていますよ。France Gallの「Nous Ne Sommes Pas Des Anges」というカヴァー曲。それも珍しくというか初めてというかエレクトロ・ポップ風ではありませんか。
来日公演の際、タワーレコードで見かけたPeter MomtchiloffFrance GallのCDを手に取っていたこと憶えていますよ。Amelia Fletcher姫にサインをいただいた時ですね。


お楽しみと言えば、まだまだあるんです。『Le Jardin De Heavenly』(1992)で共演を果たしたK RecordsCalvin Johnsonがまたしても海の向こうからの参加です。
歌い出しはリード・ヴォーカルも取るようになって来たCathy Rogers、次いでCalvin Johnsonの脱力低温低音歌唱が響き渡ったところで我らがAmelia Fletcher姫の登場ですよ。
ちょっぴりと物悲しいところがある曲調にちょっぴり感動なんです。



繊細で軟弱な印象が強いですが決してそれだけではなかったSarah Recordsの閉鎖によってWiiija Recordsから発売された本作も、そして、Heavenly自身もブリットポップの潮流と無関係のところで自由にやりたいことをやって楽しんでいましたし、多くのファンを喜ばせてくれました。


たったのそれだけで本当にそれだけのことなんですけれど。
もう充分でしょうか。Heavenlyとしてそのままずっとレコードを出してくれるのは嬉しいですけれど、あり得ないことですしね。五目飯のようにいろいろと楽しませてくれる本作、『Operation Heavenly』が最後で良かったと言い聞かせるしかないところもありますし。
実際には納得し難いのではあるのですけれど。けれども・・・。


そこでとりあえず、


みんな大好きHeavenly!!


MS-903型

本日、9月3日はドラえもんの誕生日。2112年のことです。
トーキョーマツシバロボット工場製のネコ型ロボット第1号なんですね。


耳がない方がやっぱり可愛いですよね。


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これでいいのだ

20090903130349
この際ですので、『赤塚不二夫展』に行って来ましたよ。

破天荒ながら偉大なお方ですね。

Prince / Sign“O”The Times (1987)

signothetimes
孤高の天才、Prince
Sign “O” The Times』(1987) 、2枚組の大作ですね。これはジャケット写真が格好良い、痺れますね。


ソロ名義となってのアルバム1曲目、「Sign “O” The Times」。まずはこの表題曲に度肝を抜かれます、抜かされ続けます。研ぎ澄まされた音使い、達観した歌声、これらが天上から降って来るように響きます。
一発で名盤誕生の予感が目一杯なんですが、その当時は本作にもPrinceにもほとんど縁がなかったんですよね。いったい何をやっていたんだろうって、U2ばかり聴いておりました。ギターがいななくヒット曲のM10「U Got The Look」は頻繁に耳にしてはいましたが。


各曲、そして全体の流れともども神々しいまでの完成度ですね。徹頭徹尾、抑制の効いた展開とプロフェッショナルな技術に裏打ちされた収録曲とが織りなすファンキーでクールでセクシーでミラクル満載の素敵な音楽、Princeというジャンルですね。
あの何でもありで、その実何もなかったような気がしないでもない1980年代のポップ・ミュージック界のど真ん中にそびえ立つ金字塔。もはや、誰も疑いようのない大傑作ですよね。


M2「Play In The Sunshine」にも感じることなんですが、シングル曲でもあるM13「I Could Never Take The Place Of Your Man」なんかはこの流れの中では浮いていますよね。あまりにも陽性のポップ・ソングですので。
それでも、ギター・ソロが気持ち良いので結果オーライですよ、と。


プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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