Black Sabbath / Black Sabbath Vol.4 (1972)

どういう風の吹き回しか、Black Sabbathを聴いてみました。『Black Sabbath Vol.4』(1972)です。前回の『Paranoid』(1970)の続きなんです、実は。
相変わらず重たくて鋭角的なギターのリフレインが決まっていますね。輪かけて響いて来ますよ。
この手のものを聴く機会が少ないものですので、逆にこれはもうBlack Sabbathを聴いてりゃそれで済んでしまいそうですね。
冒頭から8分以上にも渡るM1「Wheels Of Confusion/The Straightener」からして激しく美しく劇的な1曲ではないですか。素晴らしい。
M3「Changes」なんてのはまったくの新機軸ですね。驚きのバラードですものね。バックのストリングスはやはり、メロトロンということでその思い切りの良さが良い方向に転がっているようで。
そして、M5「Supernaut」の中間部ではサンバのリズムを取り入れているではありませんか、変化球どころではないですね。
全体を通して感じられるのは、のちのヘヴィメタルの範となるであろう様式美というよりも審美的なるものへの欲求というかそういう類いのものでしょうか。ブリティッシュ・ブルースの泥臭さも希薄な方かも知れません。
それでも、呪術的な要素と相俟って妖しい迫力も倍増ですよね。