BMX Bandits / Life Goes On (1993)

今月のBMX Banditsは大傑作アルバム、『Life Goes On』(1993)です。
Creation Recordsへ移籍してから『Serious Drugs』(1992)、『Kylie's Got A Crush On Us』(1993)に『Little Hands』(1993)とシングル盤の発売を重ねていよいよという訳ですけれどもようやく真打ち登場、会心の一撃ですね。
いつものDuglas T. StewartとFrancis Macdonaldに加えて、クレジット上では新しいギタリストとベーシストにJohn HogartyとFinlay Macdonaldとありましてこのメンバーで来日公演を行ったのですが、非常に怪しいですね。
古株メンバーのTeenage FanclubのNorman BlakeやSuperstarのJoe McAlindenがわざわざゲスト扱いされているのはそれぞれ契約上差し障りがあるからのは判ります。それでも絶対に主役級の活躍をしているはずですという下衆の勘繰りであります。
ホーンの彩りも鮮やかなM1「Little Hands」からグッと落ち着いたM2「Serious Drugs」へというこの落差。
ロマンティックなM3「Space Girl」、切ないM4「Scar」にさらに切ないM5「I'll Keep On Joking」が連なりまして。
きっちりと仕上げられたFrancis Macdonaldのソロ作のM6「Hole In My Heart」と鉄壁の流れに思わず感涙です。
後半はあのBeat HappeningのM7「Cast A Shadow」というカヴァーから始まりますよ。グラスゴーとオリンピアとの架け橋が今ここに。嬉しいことですよね。
お次は大名曲のM8「Cats And Dogs」です。断言してしまいます、大名曲です。
こんなに心に響く楽曲も稀ですよ。いつかこんな家庭を持ちたい、なと。
M9「Your Dreams」がこれまた弱気になった自分の背中をそっと押してくれるような、前に歩を進める勇気を分けてくれるような心強い1曲です。
M10「My Friend」とM11「It Hasn't Ended」はひと続きのような楽曲でして、前奏のようなM10「My Friend」が手早く済むとJoe McAlindenが切々とM11「It Hasn't Ended」を歌い上げるという憎い演出が。バック・コーラスも冴えていまして、これもまた名曲なのです。
Duglas T. Stewart先生がお戯れのM12「Intermission (Bathing Beauties)」でひと呼吸置きまして。
最後にM13「Kylie's Got A Crush On Us」という勘違いが成せる業が炸裂しますよ。因みに中間の女の子の台詞がシングル版とは異なりますね。
この曲はまあ、ご本人のKylie Minogueが耳にしても一切興味を示さないであろうことが想像出来ますけども。
メロウでメロディアス。The Beach Boysからの影響が色濃いギターポップの本作、『Life Goes On』。
安売りする訳ではありませんが紛れもなく必聴の大名盤なのです。
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