Teenage Fanclub - Thirteen (1993)

今月のTeenage Fanclubは『Thirteen』(1993)となります。
もう、とくかくジャケットが最悪なアルバムですね。水に浮かべた球がいったいどうしたっていうことですよ。そんなところからも最初は進んで好きになれなかった部分がありました。
前作、『Bandwagonesque』(1991)の音と比べてしまうとどうにも半端な印象を抱いていた訳ですけれど、今ではこの程度のまろやかな腑抜けさも心地良く感じられるようになりました。
もともとヤワでヌルい連中という扱いを受けていたような受けていなかったようなところがありましたし、腑抜けと言ってしまうのが適切でなければ発展途上、といったところでしょうか。
かっ飛びシングルの『Radio』(1993)のあと、そして、あの傑作の『Bandwagonesque』の次ですからね、余計な期待で勝手に胸がいっぱいだったところに温水をぶっかけられた気分でした。
この煮え切らなさが全体を支配していることによって、これまでの尖り具合が押さえ込まれてまっとう過ぎる音が随分と大人しく聞こえたんですね。収録曲は押しなべて堅実というか地味というか。
シングル曲のM1「Hang On」、M3「Radio」とM4「Norman 3」のほかに面白いのはM6「120 Mins」でGerald Loveがマンドリンか何かを弾いている代わりにNorman Blakeがベース・ギターに回っていること。
あとはインストゥルメンタルのM12「Get Funky」やThe Byrdsの中心人物にちなんだM13「Gene Clark」といった辺りが目立ちますでしょうか。
それから、運良く2枚組のオーストリア盤CDも持っています。
そのボーナス・ディスクは1910 Fruit Gum Companyのヒット曲、「Goody Goody Gum Drops」のカヴァーと「Radio」、Sebadohのカヴァー曲の「It's Hard To Fall In Love」に「Gene Clark」という4曲入りなんですよ。
詳細は不明ですがどれもスタジオ・ライヴのような感触ですね。
Sebadohの楽曲を聴いたのはこれが初めてだったような気がします、未だにたいして持っていませんけど。良いグループの良い選曲ですね。
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