Herbie Hancock - Headhunters (1973)

偉大なる現役ジャズ・ピアニスト、Herbie HancockがColumbia Recordsに移籍してから2枚目のアルバム、『The Headhunters』(1973)を取り上げてみましょう。
本盤のために結成されたグループがThe Headhuntersということなんですね。
のっけから印象的なベース・ラインで責め立てるM1「Chameleon」につきまして。
一旦、ブレイクしてからの展開の方が予想以上にねちっこいので尻上がりに熱気を帯びるわ手に汗握るわで大騒ぎですよ、この忌々しい自分の身体が。
アープ・シンセサイザーを縦横無尽に弾き倒すHerbie Hancockはこの時点で誰よりも過激だったのかも知れませんね。
M2「Watermelon Man」はご存知、デビュー・アルバムの『Takin' Off』(1962)収録曲の再演でもあります。
おかしな笛の音が怪しい雰囲気を倍増させているのとリズム隊の間の取り方も独特で胡散臭いというか薬品臭いというか。
M3「Sly」は文字通り、Sly & The Family StoneのSly Stoneのことを指したもので鬼のファンク祭りといった様相ですね。
こちらも後半に入りますと俄然、盛り上がるんですよね。加速度的に混沌とした音海に放り込まれるようで。
何とも神懸かり的なんですよ。
最後のM4「Vein Melter」はと言いますと抑制の効いたグルーヴによって、じわりじわりと果てしなく蹂躙されて行くのが不思議と心地良い1曲ですね。
ジャズというよりもフュージョンと呼んだ方が相応しいんでしょうが、今なお前進し続けるジャズ・ジャイアントにとっては単なる通過点に過ぎなかったりするんでしょうか。
スポンサーサイト