Moby Grape / Wow (1968)

随分前から再評価も著しいサンフランシスコ出身のサイケデリック・ロックのグループ、Moby Grapeを引き続き取り上げてみます。
2枚目のアルバム、『Wow』(1968)ですよ。
所謂、“サマー・オヴ・ラヴ”のど真ん中で盛り上がり損ねたという印象を何となく刷り込まれられていましたので、2枚組のベスト盤CDの『Vintage: The Very Best Of Moby Grape』(1993)くらいにしか手を出すことが出来ないでいたのですけれど、それで充分だったのかも知れないというのは飲み込んでおくことにします。
先のエントリのデビュー・アルバム、『Moby Grape』(1967)のSundazed Music盤CDと併せて思い切って購入してみました。廃盤状態でしたので焦っていた訳です。
どうしても目を惹くジャケット・デザインも手伝いまして、想像通りに彩り鮮やかな音像が際立ちますね。
清廉潔白にも聞こえて来る『Moby Grape』とは異なりまして、サイケデリックな要素が強くてぐっと派手な作りなのですよね。
時代を反映させたような仕掛けがそこかしこにさまざまに施されていまして、楽しみ方もいろいろといった具合です。
そこにはサイケデリックな意匠だけでなくねちっこいR&Bやブルースの泥臭さ、爽快なカントリーなど根こそぎ消化された胃袋の強さというか懐の深さを見せつけてくれますね。
『Moby Grape』ともども、不意に注目される羽目になったはっぴいえんどへの影響力も垣間見えて来ることなど興味が尽きませんしね。
もの凄く聴き応えがありますし、面白い1枚です。
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