カメハメハ
告白
幼くて華奢でという見てくれとは裏腹に気骨のあるロックを聴かせるチャットモンチーの新しいアルバム発売の報せです。圧倒的なクオリティーでもって、人気を不動のものとした『生命力』から1年4ヶ月。
更なる音楽的進化を目指し、3人が持つ才能をすべてチャットモンチーに捧げて作った3rdアルバムが完成。1st・2ndアルバムと同様に全13曲収録ながら、今回はアルバム初収録曲が9曲。既発シングル4曲もAlbum Mixが1曲、Album Ver.が1曲と、まさに渾身の1枚。サウンド・プロデュースはデビュー以来のいしわたり淳治(6曲)に加えて、新たに亀田誠治(5曲)を迎え、自身(2曲)も手掛けるなど、新展開を見せる内容に。
ちょこちょことシングルを出していたのでいつアルバムを発売してもおかしくない状況ですけれど、着々と作業に勤しんでいたのですね。
3月4日です。
そのニュー・アルバムの前哨戦として2月4日に『Last Love Letter』というシングルも発売されるそうで。
絶好調ですね。
気になる作詞については橋本絵利子作品がやはり、少ないようなので残念なのです。
3ピースなので音の作りに極端な振り幅を持たせることもなく、基本路線にぶれはないでしょうし。
どれだけ歌詞を読み取ってもらうかも重要だったりするかと。
とか何とか言っている割には彼女らのデビュー・アルバムさえ未だに持っていないので、この新譜の前にきっちりと出直す必要があるのでした。
未定
紅白歌手、Perfumeの新しいシングルが発売されますよ、という報せですよ。破竹の勢いで2008年を駆け巡ったPerfume。
いよいよ待望のこのシングルでは、更なるステップアップを遂げるPerfumeの進化形が見れそうだ!
引き続き、“今、日本で最もオファーの多い”プロデューサーcapsule中田ヤスタカ氏の書き下ろし曲&サウンドプロデュースを受け、更なる大ヒットを狙います!!
相変わらず初回限定盤はDVD付きというくらいで、とりあえず外に出せる情報として発売日だけが決まりましたという内容ですね。
3月25日です。
Action Painting!
The Stone Rosesの一連のジャケット・デザインに影響を与えているのが一目瞭然ですね。
Billy Nicholls / Would You Believe (1968)

今回はBilly Nichollsの『Would You Believe』(1968)というアルバムです。
リンク先さまのおいどんさんから宿題をいただいていた1枚です。(相性が良くないようですのでトラックバック送信を割愛いたしますね)
今でこそ拡大版の2枚組CDまで流通しているのですけれど、この埋もれた才能に光が当てられたのがここ10年ほどということなのですから聴けば聴くほどに複雑な心境になってしまいますね。
ここではふたつの追加収録曲を含む紙ジャケットCDを取り上げてみます。
優れた作曲家としてImmediate Recordsで活躍していたそうで。
この辺については『Immediate Mod Box Set』(2005)なんていう3枚組のブツを持っていますので、きちんと確認してみる必要がありそうですね。
そうこうしているうちに自身のアルバム制作にまで漕ぎ着けたものの、テスト盤だけが作られてお蔵入りの憂き目に遭ったとか。
どういう事情だったのかまったく想像もつきませんよ。本作がいかに優れていて、今でも、そしてこれからも聴き続けられる内容だということが当時は理解されなかっただなんて。
いち度でも耳にしてみれば判ろうというものでしょうに。
その充実の内容の方は言いますと。
Small Facesの『Ogdens' Nut Gone Flake』(1968)繋がりでSteve MarriottとRonnie Laneも録音に参加していている本作は、1960年代末のスウィンギン・ロンドンの香り高き音像がサイケデリックに歪められまして、非常に心地よく響いて来ますね。
その割にはブリティッシュ・ロック特有の湿り気が少なくて、むしろサンシャイン・ポップなんていう呼び方がぴったりの暖かな日差しを感じさせる楽曲の連続ですよ。
はっきり言って、最高です。
ジャケット写真はThe Beatlesの『Rubber Soul』(1965)のそれを彷彿とさせて、時間の開きがあるにもかかわらず何かしらの連続性を感じさせてくれますね。
煌びやかでサイケデリックでラリラリでという、あの感じを夢想させてくれます。
“『Pet Sounds』への英国からの回答”という甚句が発掘当初から繰り返されているようですけれど、それは少し筋が違うのではと感じています。
あれはあれでBrian Wilsonの執着心というか狂気の度合いが段違いですし、音の作りにしても根本的に別物かと。
ミッシングリンク
chitlin、市井の人。1971年12月生まれの37歳。
Jon Favreau、Barack Obamaアメリカ合衆国新大統領のスピーチライター。1981年6月生まれの27歳。
Short Shorts
夜のタモさんを好きだと公言してはばからない私、chitlinも驚く企画ですね。お笑いタレント・タモリが司会を務めるバラエティー番組『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)が、30日(金)に番組開始27年目にして初の総集編を放送することがわかった。タモリの「レギュラーしかやらない」というポリシーから常に新作のみを放送してきたが、同局の開局50周年のお祝いとして、遂に総集編を解禁。27年の間に育まれた懐かしの名場面が次々と放送される。
毎週欠かさず視聴し続けている数少ない番組、『タモリ倶楽部』の総集編が放送されるという報せですよ。
この番組の、下町の工場などが密かに抱える世界有数の技術に光りを当てるようなところが好きです。
ひっそり、こっそり、ニッチなところですね。
放送開始から27年ですか、凄い年数ですね。並大抵のことではありません。
27年というと今、猛烈に気になる人物がいるのですけれど。
それはともかく、絶対に見逃せませんね。
Barrino Brothers / Livin' High Off The Goodness Of Your Love (1973)

久し振りにソウル・ミュージックのエントリです。
Motown Recordsから飛び出したHolland-Dozier-Hollandこと、Eddie Holland Jr.にLamont Dozier、そしてBrian Hollandが手塩に掛けた4人組のヴォーカル・グループ、Barrino Brothersについてですよ。
1969年設立のInvictus Recordsを背負って立つのがThe Chairmen Of The Boardならば、今回のBarrino Brothersはさしずめ目の中に入れても痛くない末っ子、かも知れません。
そんなBarrino Brothersは1970年から1973年にかけて発売されたシングル盤のほかに本作、『Livin' High Off The Goodness Of Your Love』(1973)というアルバムを1枚だけ残しています。
3枚目のシングル、『Shall Not Be Moved』(1972)のB面曲だったM1「I Had It All」で幕が開きます。
ミディアム・テンポながらも弾けるノーザン・ビートの鮮やかさが堪りませんね。
感涙のバラードを歌い込む姿が目に浮かぶようなM2「It Doesn't Have To Be That Way」も先のM1「I Had It All」同様に語りが入るなど雰囲気も抜群ですね。
エレキ・シタールの音もこれまたやるせない気持ちを倍増させてくれますよ。
M3「Rain」、これも導入部に語りが入る逸品なのです。
漲る力強さと艶のある歌い口に思わず武者震いをしてしまう訳ですよ。
続くM4「Try It, You'll Like It」は4枚目のシングルB面曲で表題曲のM6「Livin' High Off The Goodness Of Your Love」は5枚目のシングルのB面曲、M7「When Love Was A Child」は1枚目のシングルのB面曲といった具合にサイドBの嵐が吹き荒れているのですけれど、まったく遜色ありませんね。
古巣のMotown Recordsが失速して行くのを横目に、Holland-Dozier-Hollandが夢見た“The Sound Of Young America”を体現する実に素晴らしいノーザン・ソウルです。
それはThe Temptations云々という単なるエピゴーネンを遥か彼方に蹴飛ばした先に珠のように光り輝くソウル・ミュージックなのですよ。
今週のスポットライト (20)

私、chitlinが勝手に赤丸急上昇なモノやコトを選んで取り上げて行く『今週のスポットライト』のお時間です。
ハリウッド版『鉄人28号』こと『T28』の予告映像が公開されました。
実現すればフル3DCG映画化、ということらしいです。まだまだ心許ないですね。
公式サイトはコチラです。
全日本プロレス所属のレスラーとは無関係ですよ、勿論。
正太郎くんがアメリカ人に置き換わるのはともかく。操縦器が腕時計型なのもともかく。
その体型が初期のものに則っているのが重量感もありまして何とも格好良いです。
今週のビックリドッキリメカ (20)

私、chitlinが勝手に赤丸急上昇のモノやコトやガジェットを選んでは垂れ流してみる『今週のビックリドッキリメカ』のお時間です。
すでに発売中の“ポケットにおさまるポケットスタイルPC”とかいうキャッチコピーもぴったりなSONYのVAIO Type Pの実機を改めて触って来ました。
コチラを見ても、女性に訴求力を持つ商品のように紹介されていますけれど。
実際には、ポケットにおさまるかというと厳しいですね。手に取り易いサイズであることは確かなのですけれど。
以前の印象と同様、“ジャストキーボードサイズ”のキータッチに過不足はまったくなくて、ごくごく普通に作業がはかどりそうでした。
文字が小さ過ぎると感じていた解像度が1600×768ドットの横長ディスプレイにも慣れてしまいましたね。
スティック式のポインティング・デバイスには手こずります。自由度が高いのであちこちに滑って行ってしまって、これは難易度も高いなと。
これだけのサイズなので光学ドライブが載らないのは仕方ないとしても、DVD再生やもっと言ってしまえばブルーレイ・ディスクとの兼ね合いについて何らかの着地点を見出してもらいたいなと感じました。
あとはOSですよね。年内にも新しい『Windows 7』の発売という勢いもありそうなので、それまで待った方が良いのか。(←買う気満々?)
それくらい、迂闊にも衝動買いに駆られるマシンであると確認してしまった次第です。
The Stone Roses / She Bangs The Drums (1989)

かれこれ20年も前のことになってしまうのですね。
The Stone Rosesのシングル盤、『She Bangs The Drums』(1989)の登場です。
表題曲のM1「She Bangs The Drums」はデビュー・アルバムの『The Stone Roses』(1989)収録のものとは若干のミックス違いも認められます。こちらは音の鳴りが少し鋭角的というかキラキラ感が強めなのですよ。
そのM1「She Bangs The Drums」を聴いていますと、これから面白いことが始まりそうなワクワク感でいっぱいになりますね。
“The past was yours But the futures mine”とあるように何だか明るい未来に向かって駆け出したくなるような、そんな青臭い気持ちにさせてくれる訳ですよ。
実際には件の傑作アルバム、『The Stone Roses』の後(だと思います)に発売されたにもかかわらず、尚も前へ前へ進みたくなるような1曲ですね。実際、『The Stone Roses』の流れの中では座りが悪いように感じます。浮いているのではと。
M2「Mersey Paradise」はですね、出だしのギターが「I'll Feel A Whole Lot Better」The Byrdsを彷彿させるところがあるやはり、キラキラした感じが素敵なギターポップです。
M1「She Bangs The Drums」と同様にこの爽快感はただごとではありませんね。さすがです。
M3「Standing Here」とM4「Simone」はいかにもB面曲といった塩梅です、と言ったら言い過ぎでしょうか。
それでも、M4「Simone」は同じ逆回転でも「Waterfall」とは異なる肌触りを持っていますね。
アシッド臭が意外と効いていまして、これはこれで面白い試みだと思いますよ。
この辺はまさに彼ら独特の強みなのでしょうね。
『She Bangs The Drums』、シングル盤として切ってくれて嬉しい1枚でした。
箱庭
画伯
Samla Mammas Manna - Klossa Knapitatet (1974)

33年も続いた読売テレビ制作の『鳥人間コンテスト』の休止の報せを受けて連想したのがSamla Mammas Mannaの『踊る鳥人間』(1974)です。当然ながら無理矢理ですけれど。
これは変態です。最初に申し上げておかなくてはなりません。
その異様なジャケット・デザインのせいか、たとえ紙ジャケットCD化されなくとも興味をそそられる1枚でしたよ。
スウェーデン産の変態プログレッシヴ・ジャズ・ロックと呼べるSamla Mammas Mannaの3枚目のアルバム、『Klossa Knapitatet』です。
原題としては『資本主義をブッ壊せ!』だそうで。いろいろな意味が込められているのでしょうね。
実際に聴き始めてみますと唖然とするほかないです。
変拍子は当たり前、1曲の中で目まぐるしく展開して行く複雑さが圧倒的な演奏技術と未曾有の折衷感覚や諧謔性に支えられては噛み合わさり、大きなうねりとなって吐き出されています。
この辺りはFrank ZappaやBonzo Dog Bandに充分に通じるところではあるのではないかと。極めて同じ臭い、そうです、同じ異臭を放っています。
意外にも表題曲のM8「Klossa Knapitatet」がいちばんこぢんまりと、こざっぱりとしていまして聴き易いくらいですね。
そこではとんでもなく面白いことが確実に繰り広げられているはずなのですけれど、その尋常ではない難解さと痛快無比さゆえに足がすくむようなと言いましょうか、未だにすんなりと楽しむまでには至っていないのですよ。
ただただ茫然自失、です。
Los Saicos / Los Saicos (2006)

先日の初買いの続きです。
ディスクユニオン新宿プログレッシヴ・ロック館を出たのが20時半前後。ここで帰れば良いもののディスクユニオン新宿館ロックフロアへと自然と向かって行ったのでした。
案の定、ところどころに値引き商品を散らして軽く初売りセールなるものを催している訳です。
そこで買い逃していた音盤などを目前にしてしまうとどうしても手が伸びてしまいますよね、悲しい性ですけれど。
Traffic SoundやらWe All Togetherならばまだしも、ペルーのガレージ・パンクなんていうのには縁がなかったのですけれど、Los Saicosというグループの怪物級の音源が改めて復刻されたと知って気もそぞろではなかった訳です。
それでもやたらと価格が高かったので見送っていたのですよ。
ようやく手に入れた本盤は『Wild Teen-Punk From Peru 1965』(2000)というひと足早い復刻盤に別テイクの2曲を加え、ジャケットの装いも新たにした一応、紙ジャケットCDです。
1965年から1966年にかけて録音されたシングル盤、6枚分を収録した編集盤ですよ。
冒頭に置かれたM1「Come On」とM2「Ana」にはグループ・サウンズにも相通じるような翳りがあって、ささくれ立った胸の内を根こそぎ掻きむしるような侘しさを備えています。
それでも、今にも掴み掛からんとするヴォーカルのがなり立て具合は天性のものでしょうね。こういうのは素人にはとても敵いませんて。
圧巻なのはM3「Demolicion」ですね。これこそ怪物級、これぞ超ド級のガレージ・パンクそのものです。
初めて聴く人は勿論、何回聴いても度肝を抜かれること請け合いですよ。身体中の血液が逆流でもしてしまうのではないかというくらいの高揚感。
ずばり、Los Saicosの正体はこれですね。
以降、けたたましいばかりのガレージ・サウンドの雨あられ。
音質の悪さを飛び越えて、どうしてここまで粗くて汚らしくてうるさくて刺のある音を叩き出すことの出来るのか。なりふり構わず叫ぶ必要があるのか。
身体中の血液が逆流するより鼻血が出そうな勢いでかっ飛ばしてくれます。
そうして最後のM11「Salvaje」とM12「El Entierro De Los Gatos」で再び度肝を抜かれてしまいますよ。
この凶暴で捨て鉢な叫びに痺れまくりです。
Los Saicosの真髄、ここにありです。
円
結晶

アイフォーンに『Zephyr』という有料のアプリケーションを追加してみました。
以前の『Ocarina』と同じ作成者のSmuleからの逸品ですよ。
タッチパネルを好きなようになぞると雪の結晶が尾を引き、素敵な音を奏でられます。
こちらにもソーシャル機能が備わっていまして、世界中の人たちが描く絵を相互に楽しむことが出来ます。
木村カエラ / Scratch (2007)

木村カエラの3枚目のアルバム、『Scratch』(2007)です。
この時期になると耳にすることが多くなるのがM3「Snowdome」です。
冬将軍というのはいったい何者なのかと。
いよいよ冬本番かと。
ウインター・スポーツの季節かと。
今年はどこの雪山を攻めようかと。(←うそ)
本当は寒さが苦手なので身動きも取れません。
もうすぐ新しいシングル、『どこ』が発売されるとのことですけれど。
この『Scratch』というアルバムから2年も経ってしまうことに驚いてしまいますよ。2枚目の『Circle』(2006)から1年に1枚の割合でアルバムを作り上げているのですね。
今回も恵まれた作家陣、制作陣の存在がやはり大きくて、それでも木村カエラ自身も腹を括って立ち向かっている姿が目に浮かんで来るような作品に仕上がっているというのが何とも嬉しいです。
件の『Circle』はなかなかハード・エッジな音の鳴りのロック・ミュージック然としたアルバムでしたね。
M7「きりんタン」のお陰もあってか本作では随分とポップな方向に振れた塩梅ですけれども、別段大したことではないのではないでしょうか。
演っていることはそれほど変わりありませんし、内容的にもとっちらかったままですし。アルバムとして若干、焦点の定まらないものの。彼女自身にはぶれはなく。筋の通った歌も健在です。
器用というのでもなく、あれもこれもな欲張りぶりも彼女らしくて好ましいと思いますよ。
何より一挙手一投足、成長して行く様子が窺えるのもよろしいかと。
Aardvark / Aardvark (1970)

初買いです。
先日、おもむろにディスクユニオン新宿プログレッシヴ・ロック館へと足を運びましてKansasの紙ジャケットCDを探してみたのですけれど、当然のことながら目当てのブツは見当たりませんでした。
代わりと言っちゃ何ですけれど、このプログレッシヴ・ヘヴィー・ロックの人気盤、Aardvarkの紙ジャケットCDを獲って来ましたよ。
Decca Records傘下のDeram Recordsに設けられたNova Seriesからたった1枚きりの『Aardvark』(1970)です。
のコチラの異形のブリティッシュ・ブルース・ロックのBlack Cat Bonesと同門ですね。
音源だけは押さえていたものの、今頃になって新品が定価で手に入るとは思ってもみませんでしたよ。
性懲りもなく、今年1年も音楽に囚われの身という訳です。
意外と可愛らしいジャケット写真とは裏腹に奇抜というか特異というか、極めて独特の雰囲気が漂い変態的な個性が光るギタリスト不在の4人組。
いかにもブリティッシュ・ロックの好事家たちに惚れ込まれそうな古めかしく鈍い光りを放つ音使いが渋いですね。
変幻自在のハモンド・オルガン主体でして、こういう編成で演っているというだけでも自信の表れなのでしょうね。
とんでもなく重厚な音の塊が轟くM1「Copper Sunset」から打って変わって、案外と繊細な響きを醸し出すM2「Very Nice Of You To Call」、そしてまたビートが激しくのたうち回るM3「Many Things To Do」に長尺のM4「The Greencap」とA面に当たる前半は特にメリハリが効いているので飽きさせない作りとなっていますよ。
まだまだこの手のハードなプログレッシヴ・ロックには不馴れなものですので、本盤の聴き応えに勝るものもないのではと錯覚でもしてしまいそうになります。
目まぐるしいキーボード演奏に耳を傾けているだけでも楽しめるものです。
決して上手いとは言えない歌い方なだけに9分以上にも渡るM6「The Outing-Yes」のように混沌としながらもスリリングな演奏がより一層引き立つ塩梅ですね。
このM6「The Outing-Yes」から始まる後半には嵐が吹き荒れるが如きインプロヴィゼイションが織り込まれているのも特徴ですね。
新年早々、こんなにも面白い音盤にありつくことが出来るなんて出足がすこぶる快調です。
噛んで候 その十八
去年の後半は忙しさで噛みまくっていたのですけれど、忙しさのあまりそんな些細なことを覚えてられないためにこのカテゴリに構っていられませんでした。
まあ、今日もいちばん最後まで居残って雑務をこなしていた訳ですけれど。
昨日から仕事初めで、お取引先からたくさんのお年賀をいただいている訳です。
定番の煎餅やら甘い和菓子に甘い洋菓子に甘いチョコレートに甘い・・・と甘党の私、chitlinには至福のひとときですよ、この時期は。
で、間借りしている部署の方々にお裾分けしようと、「甘さ控え目ですよ」と声を掛けていたところ麗しの同僚を目の前に少し緊張してしまったのです。
「あまめっ」
一緒になって笑ってくれて幸いでしたよ。
イチキュッパ

これは!!
もうカウントダウンが始まっているではないですかっ。
何のって、師と仰ぐリンク先さまの閉店営業中のブログ、『eclipuku的な独り言』が今年の7月22日に『eclipse的な独り言』と名前を元に戻して復活なさるという!!
いやはや、これはめでたいです。
というより何故にこんなに大袈裟で用意周到?
トカラ列島へのツアーにご招待だなんて、師父ぷくよ、気前が良過ぎですよ~。
なんてな
Teenage Fanclub / The Concept (1991)

Teenage Fanclubです。
前回の傑作シングル、『Star Sign』(1991)のエントリからだいぶ時間が空いてしまいましたけれども、今夜は彼らのアルバム、『Bandwagonesqu』(1991)と同時に発売されたシングルでもある『The Concept』(1991)を取り上げてみますよ。
CDですと、これもまた紙ジャケット仕様の一種ですけれど、厳密には実にしょぼい作りに泣かされる体裁ですよね。あの時期、イギリスではこういうのが結構、当たり前でしたね。
M1「The Concept」は件の『Bandwagonesqu』の幕開けを飾る楽曲でもあります。
1曲目の割にはゆったりとしたテンポなので勝手に意外に思った憶えがありますよ。そんな訳で多少の違和感があったのは確かなのですけれど、聴けば聴くほどに馴染んでは愛着が増して来るので不思議なものです。
コーダの部分ではSuperstarのJoe McAlindenによるストリングスも重ねられまして、より一層胸が締め付けられる思いです。
M2「What You Do To Me (Demo)」はその名の通りのデモ音源でして、やはり件の『Bandwagonesqu』にも収録されていますし、尚かつ次に切られるシングル曲でもありますね。
ポップでキャッチーなうえにもともとがごくごく単純な作りなものですし、このデモ音源にしてもほとんど完成しております。
つくづく優秀なバンドだなと感じさせてくれますよ。
後半に参りまして。
M3「Long Hair」はいかにもGerald Love作らしい甘めのメロディーが特徴的、そして歪み切ったギター音が格好良くて印象的な1曲です。
これは『Bandwagonesqu』に収録されていても全然、不自然ではないのでは。
最後のM4「Robot Love」はと言いますと実は幻のアルバム、『King』(1991)から引っ張って来た1曲です。
ちょっと埋め草的と言いましょうかお遊び的と言いましょうか。『King』の中で聴くのとは決定的に違いますので、身も蓋もないですけれど平たく言いますとどうでも良かったりする出来ですね。
Heavenly / So Little Deserve (1992)

みんな大好きHeavenly!
ということで今年も懲りずにHeavenlyのことを
一応、前回の『Our Love Is Heavenly』(1991)の続きで同じSarah Recordsから発売された『So Little Deserve』(1992)という7インチのシングル盤です。
表題曲のM1「So Little Deserve」は少しどころかだいぶ物悲しい雰囲気が濃厚で、幼い恋のもどかしさに胸が詰まりそうです。切ないですね。
たどたどしい演奏もここぞとばかりにばっちりと決まっていますよ。
M2「I'm Not Scared Of You」の方は元気があってドタバタ具合も含めてメリハリの効いた1曲です。どちらかと言えばいつものHeavenlyらしい溌剌とした演奏ですのでこちらがA面だった方が良かったのかも知れません。
と、ここまで書いて来まして何ですけれども。直後のアルバム、『Le Jardin De Heavenly』(1992)と音の作りがそっくりですので同じセッションの産物ですよね、きっと。
と、言うよりもどうせならその『Le Jardin De Heavenly』に収録してしまって全10曲にしてもらった方がずっと自然な形だと感じる訳ですよ。Sarah Recordsからの差し金か何かあったのでしょうか。
もったいない気が非常にします。
正直、シングルとしては少しばかり弱いですしアルバムの中の文脈で活きて来るような、脇役としてぴったりのような表情豊かになって来るようなそんな気がするのですよ。