Galaxie 500 / This Is Our Music (1990)

局地的に熱狂的な人気を誇るGalaxie 500。
アルバムとしては最後になってしまった『This Is Our Music』(1990)の出番です。
今回は紙ジャケットCDが無事に発売されました記念ということで。
それにしても表題が『This Is Our Music』ですよ。
何と頼もしいことでしょう。自信に満ち溢れていますよね。
Galaxie 500の3人としてのやり切った感というものを端々から窺うことも出来そうですけれども、実際のところグループの解散は本作の録音から1年余り経ったあとということですのでこの先の展開もあったはずなのにとことある毎に思ってしまいます。
勝手なもの言いですけれどもね。
そんな本作の口火を切るのはシングル曲でもあるM1「Fourth Of July」です。
滑らかに滑り出すギターの音色に早くも参ってしまいますね。
眼には見えないはずの音が、Dean Warehamの奏でる唯一無二のギターの音色が終盤では本当に光り輝いているのではないかと錯覚してしまいます。思わずうっとり、です。
そして、“But I Feel Alright When You Smile”という歌詞。思わずどっきり、です。
冒頭でぐいっと襟首を掴んだあとは、まるで陽炎のように淡い光線が思いおもいに屈折しては消え入るかのような楽曲で彩られて行きます。
M4「Summertime」を筆頭に『The Velvet Underground』(1969)度がゆったりと増して行くのですよ。
そんな中でYoko Ono作のM6「Listen, The Snow Is Falling」がとても美しい、これ以上ないほどに美しいです。
頭の中が360度の銀世界によって包まれる感覚です。
Naomi Yangが
そして、M8「Melt Away」。
文字通り、なすがまま、なされるままに溶けて潰れてしまいたくなる1曲です。
身体中が弛緩して行きます、どうしようもなく。
これまたこの世の果てをたゆたうような最後の「King Of Spain, Part Two」まで辿り着くことが出来ましたら、もういっぺんM1「Fourth Of July」に還ってGalaxie 500と一緒に脳みそを漂白してしまいしょう。
それでどうなるかはちっとも判らないですけれど、判らないままで良いので。
その前に追加収録の嬉しいカヴァー曲、M10「Here She Comes Now」The Velvet Undergroundで一服しておきましょうね。
スポンサーサイト