Premiata Forneria Marconi / Per Un Amico (1972)

デビュー・アルバムの『Storia Di Un Minuto』(1971)に続きましてイタリアン・プログレシッヴ・ロックの雄、Premiata Forneria Marconiの『Per Un Amico』(1972)を聴いています。
勿体振ったような導入のM1「Appena Un Poco」はしかし、すぐさま劇的な展開を見せて聴き手を魅了して行きます。
その後も間髪入れずに目まぐるしく移ろい、果ては壮大な景色(King Crimsonを彷彿とさせる場面も)を提示しての大円団。
こんなグループでしたでしょうか、と嬉しい驚きすら感じさせてくれます。
続くM2「Generale」ではこれまた技巧に富んだ演奏が繰り広げられていまして、思わず舌を巻くほかにない塩梅です。
硬軟織り交ぜ、起承転結も絵に描いたように鮮やか。
歌が入っていない分、金縛りにでも遭ったかのように聴き入ってしまいますよ。
表題曲のM3「Per Un Amico」も尺が長いにもかかわらず、相変わらずに美しい音使いに旋律。
収録曲全部を聴き終えていないのですけれど、もうこの時点で腹いっぱいです。参りました。
とてつもないアルバム作品ではありませんか。
M4「Il Banchetto」ではシンセサイザーを使ったただでさえ大掛かりな楽曲のうえに、麗しいハープの音色やクラシックなピアノの響きが。
支離滅裂というのではなく。色とりどりの音を次から次へと手際良く捌いて行く様子にただただ圧倒されてしまうのみです。
イタリアのプログレシッヴ・ロック特有(←多分に先入観ですけれど)の暑苦しい歌唱にはならないのが特徴なのでしょうか、最後のM5「Geranio」はごくごくしっとりとした、どちらかと言えば控え目な1曲です。
それでも締めくくりに相応しい、充分に劇的で想像力を掻き立てるような出来上がりですよ。
スポンサーサイト