Quella Vecchia Locanda / Quella Vecchia Locanda (1972)

最近、図に乗ってイタリアのプログレッシヴ・ロックも取り上げるようになりましたけれども、まだまだ門外漢。
甚だ見当違いであることを承知しているのですけれど、個性的な音盤ばかりなので何かしら書き留めておきたくなる訳です。
そこで今回はQuella Vecchia Locandaのデビュー・アルバム、『Quella Vecchia Locanda』(1972)を聴いてみました。
彼らの最大の特徴はやはり存分に弾き倒されるヴァイオリンでしょう。
5分弱のM1「Prologo」からして絡み付くように奏でられていまして、緊張感を強いられる幕開けであったりするのです。
ほかにもアコースティック・ギターは勿論、フルートやピアノといった生楽器も駆使されていまして、アコースティックな響きと轟くヘヴィ・ロックとのつば迫り合いが終始、繰り広げられていますよ。
イタリアのプログレッシヴ・ロック特有の大袈裟な展開というよりも若干、荒削りなもので強引さがちらほらと。
いかにも勢いで捩じ伏せているかのような。
普通に聴き流していますとひと続きに感じるM4「Immagini Sfocate」とM5「Il Cieco」が本来ならばA面とB面との切れ目になるとは意外ですね。
そのくらい違和感なく収まっていますし、M5「Il Cieco」ではこれまた意外にも滑らかな展開なので息つく間も与えてくれませんよ。
そうかと思うと後半に進むにつれて粗が目立って来るような気がするの単なる気のせいなのでしょうか。
1曲の中で様々な要素が複雑に入り混じっては未消化で放り出されていると言ったら語弊がありそうですけれど、そのくらいに詰め込まれている感がありありとしています。
これを整理整頓してしまえば逆に野暮ったくなってしまうのか判らないところなのですけれども、このどっちつかずのまとまりのなさ加減も本作、『Quella Vecchia Locanda』の魅力のひとつとしておきましょう。
スポンサーサイト