The Flaming Lips / Transmissions From The Satellite Heart (1993)

前作の『Hit To Death In The Future Head』(1992)に続くメジャー移籍第2弾アルバム、The Flaming Lipsの『Transmissions From The Satellite Heart』(1993)が登場です。
より一層磨きがかけられ、飛び石進級の如く上へ上へと登り詰めて行く様子が捉えられてますよ。
ちなみに初めて聴いたThe Flaming Lipsがこれでした。
厳密に申し上げますと、かれこれ15年前にモダンチョキチョキズのエレキソロバン担当のラジオ番組でM6「Superhumans」を耳にしたのがことの始まりでしたね。
それはもう身体に電流が走ったかのような衝撃でしたので。
綿菓子のように甘ったるいメロディーをふやけた歌声が上滑りして行く訳です。
これはどういことなのでしょう。
根本的に哀しいまでにキーが合っていませんよ。
実際のところこのヘロへロな歌唱が絶妙に琴線に触れる訳でして、それが狙いだとしたらばそれはそれで相当なものですけれど、止むに止まれぬ結果としか思えない気がしないでもない訳ですよ。
当時、局地的にThe Flaming Lipsにとっての『Revolver』The Beatlesと言わしめただけありまして、その感触といたしましては万華鏡の如く煌びやかなものです。
加えてM11「Slow Nerve Action」で聴くことの出来る爆音のようなドラム・サウンドも手伝って非常に極端な低域の音作りが耳を惹くのですけれど、とにかく奇妙奇天烈なギターの音色が大変に刺激的です。
これ即ち、脳みその皺を伸ばされるような感覚と同時に神経を逆撫でされるかのような感覚に陥る羽目となりまして、快楽の絶頂と奈落のどん底の両極端に陵辱される自らをさながら鳥瞰図として眺める格好という訳です。
これは危ういです。
非常に危うい、地球危うしです。
ワクワクしますね。
ドキドキしてしまいますね。
基本は悲しくも楽しい泣き笑いポップながら、下世話で自由奔放な側面も際立つ彼らの傑作の瞬間と申し上げておきましょう。
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