Faust / Faust IV (1973)

Faustのこの『Faust IV』(1973)をいちばん最初に聴いて思わず連想してしまったのは、先日エントリしたStereolabの『Space Age Batchelor Pad Music』(1992)です。
彼らのこの2枚目のアルバム自体が本作、『Faust IV』へのオマージュとしか思えないほどの相似ぶりなのですよ。
のっけから12分弱という長尺のM1「Krautrock」(!)で幕を開けます。
この1曲目だけでなく全体的に起伏も鷹揚も乏しい中にあって、既に彼らの音世界に引き込まれてしまうだけの説得力が潜んでいます。
聴くたびに新しい発見がある実験的な音作りとでも言いましょうか。
まったく手触りの異なる曲調の楽曲も勿論、含まれていましてM2「The Sad Skinhead」の場合にはさながらガレージ・バンドがギプスをはめられて演奏しているような鯱張った仕上がりです。
また、M5「Picnic On A Frozen River」などは周囲から浮き上がってしまうくらいの華やかさを持ち合わせていますし、続くM6「Giggy Smile」のアコースティックな感触は若干の心地良ささえ醸し出していますよ。
聴いていて和むなんてことは決してないのですけれども、様々な小ネタが仕込まれていますので飽きることがありませんね。
何年か前には本作の拡大リマスター盤(2枚組)CDが発売されていますので、こうなるとそちらも非常に興味深いです。
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