Simon Turner / Sex Appeal (1992)

リンク先さまであるAntenna.blogのパイクマンさんの退院を祝しまして、前回に引き続き図に乗ってご紹介するのはSimon Turner Versus The King Of Luxembourgと銘打たれましたその名も『Sex Appeal』(1992)という編集盤です。
金粉だらけで日光浴という倒錯したジャケット写真が刺激的ですね。
そのジャケットに大きく刷り込まれた“Simon Turner Versus King Of Luxembourg”に続くのは“... You Decide!!”。
どちらか決めろなんてのは無理な話ですけれどもね。
まさに“The Fantastical Pop World Of Simon Turner”という副題が物語る通りの遊び心溢れる、Cherry Red Records傘下のRichmond Records発の絶好の企画盤です。
前半にSimon Turner名義のシングル曲を配し、あとはThe King Of Luxembourg名義の『Royal Bastard』(1987)と『Sir』(1988)からの収録曲ほかを適度に併せためくるめく展開という盛り沢山な1枚なのです。
デビュー曲のM1「The Prettiest Star」David BowieのほかにもカヴァーですとM2「Wild Thing」The Troggに、The Mojo Men版も麗しいM5「Sit Down I Think I Love You」Buffalo Springfield、果てはM13「A Picture Of Dorian Gray」Television Personalitiesややけに可愛らしいM18「Lee Remick」The Go-Betweensまでに及びます。
勿論、名カヴァーのM14「Valleri」The Monkeesも収録されてますし。
それでも、目玉はM11「California Revisited; Incorporating...Surf City, Fun Fun Fun, So You Wanna Be A Rock And Roll Star」でしょう。
ブリティッシュ・ポップの貴公子が何故に西海岸への憧憬を剥き出しに?
どうもこうも、“税金対策”を理由に音楽活動をしているなどという言い訳ともども奇想天外をはるかに超えまして支離滅裂の極みです。
こういった豪華メドレー筆頭に分裂症気味のカヴァー曲の数々に翻弄され、思わず目が眩みます。
確実にポップ・ミュージックの極北のひとつと呼ぶことが出来ますよ。
まったく、この総まくりと言える内容には圧倒されてしまいます。
楽曲によってホーンやストリングスなどが導入されていることからも一聴して予算がかけられているのが判るのですけれど、どういう訳だか逆に安っぽく聞こえて来るのはご愛嬌、です。
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