Pixies / Trompe Le Monde (1991)

Pixiesの4作目にして最後のアルバム、『Trompe Le Monde』(1991)の出番です。
前作『Bossanova』(1990)の風変わりなサイファイ・サーフ・パンクからどう脱皮して今度は何だろと勘ぐる暇も与えぬ全15曲、密度が非常に濃いです。
全体の流れを重視しているのか、曲間を置かずに息もつかせず矢継ぎ早に畳み掛ける疾風怒濤の構成が痛快ですね。
しかも、相変わらずRamones並に2分台という短さで曲調もばらばら。
ファンクにパンク、スパニッシュやらThe Jesus And Mary Chainのカヴァーありと。お祭りかと。
まずはエッジの効いたギター、ひしゃげたヴォーカルが猛威を振るうシングル曲、M2「Planet Of Sound」に持って行かれてしまいますよ。
尖り具合も相変わらずですけれど、Black Francisのその重量感溢れる肉体同様に余裕すら感じられますし。
1年に1枚のペースでよくもこんなにも刺激的なアルバム作品を作り上げ続けてしまうのですから、そういう意味でも脂が乗っていましたね。
最後のM15「The Navajo Know」のひとつ手前のM14「Motorway To Roswell」には一抹の寂しささえ感じてしまうのですけれども、聴いている方はまさか解散するなんてことを想像だにしていませんでしたからね。
研ぎ澄まされてはいるものの、キーボードを導入し厚みと幅を持たせたお陰で隙間という隙間を塗り込め過ぎてしまったことは否めないようです。
この辺が受け入れられ難い関門なのかも知れません、って他人事ではなくて。
そのほかにも気付いたこともありまして。
真夏に聴くものではないなと。