Zerfas / Zerfas (1973)

驚愕のサイケデリック・ロックあるいは単純に支離滅裂なだけのヘヴィー・ロック、はたまたプログレッシヴなアメリカン・ロックの垂れ流しとも言えなくもない、もしくはどれにも当てはまらない珍奇な1枚、Zerfasの『Zerfas』(1973)で以て事始めといたします。
先日のどば~っと画像に入れ損なったのがこの『Zerfas』でした。
昨秋よりRadioactive Records盤CDを注文していました。ものによっては廃盤とは限らないのですけれど、Radioactive Records閉鎖に伴い案の定、入手困難だったのです。
昨年末にLaura Nyroの紙ジャケットCDを引き取りに行った際、見知らぬLion Recordsから再発売されているのを見つけまして慌てて買い求めました。
何とも訳の判らない内容です。
1曲の中にやりたいことを詰め込みまして、様々な要素をそつなくまとめているように見えるのですけれどもどこかほころびが目立つと言いましょうか、脇が甘いと言いましょうか、投げっ放しと言いましょうか。
7分以上に渡るM6「Hope」では早々に重たいギター・ソロが斬り込んで来たかと思えば、波音に神々しいシンセサイザーが被せられるなど壮大な景色を眼前に繰り広げてくれたりします。
M7「Fool's Parade」では大気圏を突抜けたかのような浮遊感が顔を覗かせ、続くM8「The Piper」の場合は切なく、これまた雄大なメロディーが郷愁を誘います。
何かにつけてコラージュやらシンセサイザーやらコーラス・ワークやらを駆使しているというのに、芸達者なのか器用貧乏なのかどうか判然としなかったりするのです。
逆に言いますと思ったほどには構成力に長けていないが故の展開の読み辛さで飽きが来ない、いつまでも新鮮に接することが出来るのかも知れません。
私家版であったということに頷けるような、決して日の当たる道を歩むことは敵わないであろう人跡未踏のような。
そんな愛すべき1枚です。
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