Novos Baianos / Vamos Pro Mundo (1974)

ギターポップ漬けからしばし離れまして、ラテン音楽を少々摘んでみましょう。
Novos Baianosによる『Vamos Pro Mundo』(1974)というアルバム作品です。
それはそれはおびただしい枚数のジャズ・サンバ盤の復刻を果たして来ました(ココで何枚か取り上げています)、期待のSom Livreシリーズということで勢いに任せて購入してみたものの、想像していました音像とはだいぶかけ離れています。
実際には、当のNovos Baianosの方がよっぽど勢いがありまして、サンバ特有の祭り状態(←当てずっぽうです)とでも言えるのでしょうか天井知らずの高揚感にこちらが当てられっ放しなのです。
ぱっと聴いてすぐに判るのは、ジャズ・サンバを土台にロック臭が強いばかりかファンクの味付けさえ感じられる点でしょうね。
Red Hot Chill Peppersなどとはまったく異なるこの種のごった煮具合には免疫がない分、違和感よりも逆に新鮮味を抱かせるに充分なのです。
更にはプログレシッヴ・ロックのような大袈裟な展開を見せるM10「Um Bilhete Pra Didi」なんてのも大きな口を開けて待ち構えていますよ。
中心人物と思しきMoraes Moreiraが脱退した後の本作がNovos Baianosきっての傑作であるという扱いを受けていることも、そもそもがこうした間口が広く底の深いごった煮の醍醐味所以であろうことが窺えます。
M7「Escorrega Sebosa」辺りは好みですし、Baby Consueloという女性メンバーがヴォーカルをとるM2「Guria」とM8「O Menina」などは大変に可愛らしくて、いとおかしなのです。
スポンサーサイト