Tina Brooks / True Blue (1960)

じりじりと暑い日が続きます。夜中になっても蝉たちは鳴き止んでくれません。こんな時にはジャズを。旧ブログからTina Brooksの『True Blue』(1960)の過去エントリを転載してお茶を濁すことにします。
不世出のテナーマン、Tina Brooks。Blue Note Recordsにリーダー作をたった1枚残して夭折したことから“幻の”という冠がつきまとう訳です。
その唯一のアルバム『True Blue』(1960)について、カタログ番号で言うと本作のひとつ前の『Open Sesame』Freddie Hubbardの6日後に、ピアニストとドラマーを入れ替えて録音されています。
果たして、Alfred Lionの読みが見事に的中した逸品に仕上げられています。
M6「Theme For Doris」以外はすべてTina Brooks作というのも頼もしい限りなのですが、熱気と躍動感が溢れるM2「Up Tight's Creek」を始めとして、全編に渡り直球過ぎるハード・バップが所狭しと並べられています。
彼自身がR&B畑出身というだけあって、やおらブルース色が滲み出る独特の感覚が心の琴線に触れることも多々あります。
その絶妙なテナー・サックスの音色に酔いしれるも良し、更に変幻自在のリズムに翻弄されるも良し。
ハード・バップの正統派、王道、真髄など呼び方はどうでもよろしいのですが、まさに屈指のハード・バップ作品に違いありません。
手持ちのCDは、2004年にリマスターされた輸入盤です。
表題曲の別テイクM7「True Blue」と冒頭を飾るM1「Good Old Soul」の別テイクM8の2曲が追加収録されています。
おそらくこの時期以降に発売されたRVG版の輸入盤は、CCCDが店頭に並べられていますので注意されたいです。
身体を冷やすつもりが逆に火照り気味です。ひとっ風呂浴びて来ますか。
とにもかくにもTina Brooksを聴いてハード・バップの良さ、素晴らしさに気付かされたことはとても大きいです。