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Archie Shepp / The Magic Of Ju-Ju (1967)

juju
唐突にジャズを聴いてみよう、今まで聴いたことのないものを選んでみようということでArchie Sheppの『The Magic Of Ju-Ju』(1967)です。
こういうジャケット写真ですと逆に聴いてみたくなります。


と、興味本位で聴いている訳ですけれども。
いきなり18分超えですからね、M1「The Magic Of Ju-Ju」が。原始的なリズムの上でのたうち回るArchie Sheppによるテナー・サックス、もうどんな脈絡があるのか判りません。


M2「You're What This Day Is All About」なんかはもの凄く小粋でとっつき易くてとその落差が衝撃的ですね。ほんわかとしますもん。


で、次のM3「Shazam!」で、また不気味さが甦って来ると言ったら失礼ですがフリーキーな演奏が続くような。それでもきちっりとした締めくくりが待っているんですね。驚きました。
ただ、乱れ打ちのドラムスが格好良いですね。血が騒ぐような、馬力がかかった力技。
最後のM4「Sorry 'Bout That」も同様ですね。


聴き込んで行くどんどん発見があるだろうなという1枚ですね、きっと。そして、生半可な気持ちで接すると痛い目に遭うこと間違いなしです。


Django Reinhardt / Jazz In Paris: Nuages (2003)

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曇りがちで夏らしくない今日この頃、何とはなしにDjango Reinhardtを聴いてみました。
何年か前に大量に発売された“Jazz In Paris”というシリーズがありましたよね。貴重なSP音源など(でしたっけ?)がわんさかCD化されたというやつです。そのうちの1枚、『Jazz In Paris: Nuages』(2003)ですよ。


全編に渡りましてまさに軽妙洒脱。高度な技術に裏打ちされたまったく無駄のない演奏が周囲の空気をビリビリと震わせます。お見事と言うほかないですね。
M3「Night And Day」の朗らかさにM6「Nuages」の美しさ、いつ聴いてもどこで聴いて名演の連続。


研ぎ澄まされたギターの音色は同時にどこか艶やかで大人の香りを漂わせております。こんなにも贅沢なひと時を独り占めなんてと思ったエントリでした。



Herbie Hancock - Headhunters (1973)

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偉大なる現役ジャズ・ピアニスト、Herbie HancockColumbia Recordsに移籍してから2枚目のアルバム、『The Headhunters』(1973)を取り上げてみましょう。
本盤のために結成されたグループがThe Headhuntersということなんですね。


のっけから印象的なベース・ラインで責め立てるM1「Chameleon」につきまして。
一旦、ブレイクしてからの展開の方が予想以上にねちっこいので尻上がりに熱気を帯びるわ手に汗握るわで大騒ぎですよ、この忌々しい自分の身体が。
アープ・シンセサイザーを縦横無尽に弾き倒すHerbie Hancockはこの時点で誰よりも過激だったのかも知れませんね。


M2「Watermelon Man」はご存知、デビュー・アルバムの『Takin' Off』(1962)収録曲の再演でもあります。
おかしな笛の音が怪しい雰囲気を倍増させているのとリズム隊の間の取り方も独特で胡散臭いというか薬品臭いというか。


M3「Sly」は文字通り、Sly & The Family StoneSly Stoneのことを指したもので鬼のファンク祭りといった様相ですね。
こちらも後半に入りますと俄然、盛り上がるんですよね。加速度的に混沌とした音海に放り込まれるようで。
何とも神懸かり的なんですよ。


最後のM4「Vein Melter」はと言いますと抑制の効いたグルーヴによって、じわりじわりと果てしなく蹂躙されて行くのが不思議と心地良い1曲ですね。


ジャズというよりもフュージョンと呼んだ方が相応しいんでしょうが、今なお前進し続けるジャズ・ジャイアントにとっては単なる通過点に過ぎなかったりするんでしょうか。


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Blossom Dearie / Whisper For You (1997)

whisperforyou
参りました。訃報です。
Blossom Dearieがお亡くなりになってしましました。享年82歳、ご自宅にて安らかに逝ってしまわれたと思われるのがせめてもの救いでしょうか。
ご冥福をお祈りしたします。


初めて購入して聴いてみたのが『Whisper For You』(1997)という日本企画の編集盤でした。
貴重なFontana Records時代の『That's Just The Way I Want To Be』(1970)とVerve Records時代の『Give Him The Ooh-La-La』(1958)というアルバムの抱き合わせ盤CDなのですけれど、小西康陽が一枚噛んでいるだけあってただでは済まない1枚なのですよ。


前半に当たるロンドン録音の『That's Just The Way I Want To Be』にはM4「Hey John」(John Lennonのことですね)やM5「Sweet George Fame」、そしてM7「Dusty Springfield」など表題を眺めるだけでも興味深いオリジナル曲が並んでいまして何とも印象的なのです。
M12「I Like Londn In The Rain」などは思いのほかにグルーヴィーなので殊更に嬉しくなってしまいますし。


そんなBlossom Dearieと言えば、とろけてしまいそうなその舌足らずな歌とスキャットがいちばんの魅力な訳でして、まさに夢見心地。
勿論、『Give Him The Ooh-La-La』におきましてもキュートでチャーミングそのもの。
それがジャズ・ヴォーカルとしては異端であるのかも知れませんね。
それでも、そんなことはお構いなしに彼女の可愛らしい歌声に首ったけなのです。


地元のニューヨークでは最近までクラブ出演していたそうですので、可愛らしいおばあちゃま代表としてまだまだ絶賛活躍中であったと。
それとは反比例に、周囲にBlossom Dearieを知る者は皆無だったりするのですけれども、多くの音楽ファンに愛され続けて来たことに違いはないはずです。そして、これからも。


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Jackie McLean / Demon's Dance (1967)

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梅雨空に押し潰されそうになるのも飽きてしまいましたので(実際にはCD棚をほじくり返すことに飽きました)気分転換にこの『Demon's Dance』(1967)を聴いてみました。


ジャケット・デザインがひと際目を惹く本盤は、Jackie McLeanBlue Note Recordsへの録音にひと区切りをつけた形のアルバムですね。


1967年という時節柄でしょうか、珍しくサイケデリックなこのジャケット・デザインのおどろおどろしさ故に敬遠していた節もありましたし、何年か前に紙ジャケットCDがアンコール・プレスされた際にも店頭に溢れるほど並べられていたので放置していましたら早々に廃盤の憂き目にといういつも展開でした。
一昨年にRVG盤CDとして発売されましたので溜飲を下げたくちです。


とか何とか言っている割にはほかの作品をまとも聴いたことがないので、新主流派を経てハードバップ期に立ち返ったとかという文脈も何も関係なしに楽しんでおります。
本当なら『Swing Swung Swingin』(1959)くらいは最低でも聴いておくのが筋であるということは重々承知のうえなのですけれども。


初っ端の表題曲からして豪快なハードバップが賑々しい「Demon's Dance」やら直球勝負のM5「Floogeh」やらが実に爽快な音に仕上がっております。


あとは月並みではあるのですけれども、Woody Shaw(tp)作の4「Sweet Love Of Mine」の魅惑の演奏には胸を焦がされますね。



プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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