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Yo La Tengo / Electr-O-Pura (1995)

electropura
前作の『Painful』(1993)からMatador Recordsからの発売なんですね、というのはYo La Tengoのことです。今夜は『Electr-O-Pura』(1995)をお供にさっさと眠りますよ。


今回も何も派手なことを演っている訳ではありません。刺激的ではありますが、鮮やかなギター・ソロなどありません。実際、佇まいも地味ですしね。ただ黙々と自分たちの納得することをやり遂げているだけです。地道な活動が吉と出た例ですよね、見習いたいところです。
そういうことを自由にやらせてくれるMatador Recordsとの関係も良好なんでしょうね。理想的な環境の中で活動可能というのは大きいですよね。


例えば、再結成ツアーなんてこともありましたがPixiesがアルバム4、5枚であっさりと解散したのはそれはそれで潔いものの。
やはり、Yo La Tengoがファンと強く結びつき合いながらまだまだ先へ先へと突き進むことが聴き手としては嬉しいです。


いつものようにサイケデリックな成分が多めの音の粒子が不思議と漂うアルバム、『Electr-O-Pura』。全14曲と相変わらず多めの収録曲です。
シングルとして切られたM4「Tom Courtenay」の歌心には特にグッと来てしまいます。


勿論、全部が全部とは言い切れませんが奇跡的な瞬間ばかりなんですね、Yo La Tengoのアルバムというのは。何故だか自然と胸が高鳴り、ふと目頭が熱くなってしまうんですよ。


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Yo La Tengo / Painful (1993)

painful
今夜はYo La Tengoの『Painful』(1993)を聴いています。
こういうジャケット写真も好みです。


正直に申しまして、本当に最近のことです。何度か書いて来たことですが、『I Can Hear The Heart Beat As One』以外はほとんど聴いたことがなかったんです。
1990年前半と言えば新進気鋭のギターバンドが放つ音にどっぷりと浸っていたはずなのにこのYo La Tengoのことはすっかり素通りしていたんですね。特別な理由はなかったと思います。


という訳で今になって非常にもったいない思いでいっぱいですね。実際にこうして耳を傾けていまして、感極まる思いですので。


これは何とも言い表せないです。きゅんきゅんしますよ、胸が。
切なくなるような、やりきれなくなるような。


こういう優良なギターバンドがどちらかと言えば密やかに着実に、そして地道に活動を続けて、アルバムを作って海外でもライヴ演奏を行って、ファンに愛されてじっくりとレコードを聴いてもらえて。
最後のM11「I Heard You Looking」を聴けば上記のようなことを判っていただけると思いますよ、本当に。Yo La Tengoってそういう連中なんです。


今さらなんですけれど、今頃になって何を抜かしてやがるんだという訳ですけれど。好きです、Yo La Tengo


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Yo La Tengo / Fakebook (1990)

fakebook
Yo La Tengoのアルバム、『Fakebook』(1990)です。収録曲の大半がカヴァーという異色作でもありますね。
もっとも、後に『Yo La Tengo Is Murdering The Classics』(2006)という丸ごとカヴァー曲集を限定発売するくらいですので不自然なことではないかも知れませんね。


演奏自体はどれも簡素の極み。至って素朴なものですのですので、より一層の親近感が湧いて来ますよ。選曲にも依るのでしょうか、のどかなカントリー風味が強めですね。


当ブログとしていちばんに注目したいところと言いますと先ずはM6「You Tore Me Down」でしょう。The Flamin' Grooviesをカヴァーしたものですけれども、同曲をHeavenlyも『Space Manatee』(1996)というシングルのB面で演っているんです。どちらも似たような優しい感触ですので、未だに聴いたことのない原曲もきっと健やかな感じなのでしょう。
実は本作を手に入れて聴いてみたのがつい最近のことですので、この符丁には割と驚いています。


そして、Daniel Johnstonの人気曲でもあるM8「Speeding Motorcycle」のカヴァーです。The Pastelsも彼ららしい緩い演奏を披露していますよね。
今回の収録曲とは別にDaniel Johnstonと電話越しでの共演という奇跡を起こしてもいます。同じ時期に発売された7インチ・シングル、コチラで取り上げていますね。
淡々とした演奏の中にもどこか気骨が感じられます。


デビュー・アルバムの『Ride The Tiger』(1986)では「Big Sky」というThe Kinksのカヴァーを演っていますが、今回は『Muswell Hillbillies』(1971)収録のM11「Oklahoma, U.S.A.」という渋い1曲を選んでいますよ。


あと面白いのはM7「Emulsified」という1曲ですね。
出自が判らないのですけれど、1950年代風のいかにもなティーン・ポップか陽性のドゥワップかといった具合でして。女性コーラスまで配したとても楽しい仕上がりなんですよ。
と思いましたら、どうやらR&Bのヴォーカル・グループのカヴァーらしいですね。まあ、よく引っ張り出して来ましたね、こういう楽しいヤツを。


収録曲はどれもこれもゆったりまったりとしたもので思わず癒されてしまいますね。
サラッとし過ぎているかも知れないです。少し意外でした。Yo La Tengoには勝手に音楽に対する内に秘めたる熱い想いを感じ取っていましたので。



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Yo La Tengo / Ride The Tiger (1986)

ridethetiger
ついでと言っては何ですけれども、Yo La Tengoのことも取り上げてみます。
1984年結成にして未だ現役というのですから、四半世紀近くも活動し、その音楽が受け入れられているなんてのは素敵なことですね。
この『Ride The Tiger』(1986)はそんな彼らのデビュー・アルバムです。


Ira KaplanGeorgia Hubley以外のメンバーは流動的だったらしく、以前に取り上げた『I Can Hear the Heart Beating As One』(1997)と比較してしまいますとよくぞここまで生き残ったなと思いたくもなるのですけれど、本人たちにしてみれば単純にやりたいことをコツコツと積み重ねて来ただけのようで何の気負いもなさそうですし、そこが彼らの持ち味であるのは周知のことなのでしょうね。


M10「Screaming Dead Ballons」にはなりふり構わない若気の至りを感じさせますけれど、総じてどこか冷めていながらも牧歌的な印象を抱かせるという不思議な音です。


最後を締めるのがあのPete SeegerのM11「Living In The Country」という具合なのですから、もうさっぱり訳が判りませんよ。
どこまで本気なのかは後に丸ごとカヴァー・アルバム、『Yo La Tengo Is Murdering The Classics』(2006)を限定発売してしまうことからも推し量ることは出来るのですけれど、その場限りの捨て身の芸風とも受け取られかねません。


そうそう、M2「Big Sky」は勿論、The Kinksのカヴァーという訳でこれが妙に板についていまして本当に不思議です。端から見てもYo La TengoThe Kinksというのはどうも結びつかないのですよ。


不思議と言いましても、この段階では正直、The Velvet Undergroundに影響された1980年代にもそこら辺に溢れていた凡百のギターバンドのひとつにしか思えなかったりもします。


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Yo La Tengo / I Can Hear The Heart Beating As One (1997)

icanheartheheartbeatingasone

経歴が20年を優に超えるアメリカのインディー界きっての古株グループ、Yo La Tengo
未だにニュージャージーのホボーケンで地に足の着いた活動を続けています。


やはり、美しいジャケット写真にひと目惚れしてしまったのがきっかけです。
遅ればせながら、10年前に購入したこの『I Can Hear The Heart Beating As One』(1997)が初めてのYo La Tengoでした。


全体的にひんやりとした感覚が支配する作品でありまして、強いて言うならば終盤のM14「Spec Bebop」からM15「We're An American Band」、そしてM16「My Little Corner Of The World」という流れがこのうえなく絶品です。


万感の想いとはこのことを指すのでしょうか。奇妙な気持ちが胸の内側を埋め尽くしてくれます。
これほどまでにしみじみしてしまうとは自分でも考えられないのですよ。


周囲の同意や理解を得られようが得られまいが。
犠牲にするものも多々ありましたけれども。
思うがままに地道にロック・ミュージックなんかに捧げて来た甲斐がありました。大袈裟に言うならば信念を持って耳を傾けて来て良かったと感じる訳です。



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プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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