
久々の
The Flaming Lips、彼らのデビュー・フル・アルバム『
Hear It Is』を聴いています。今秋には新作、『
Embryonic』(2009)が発売ということで。
実際には『
The Flaming Lips』(1984)というデビューEPがあるそうですが、世代的にはイギリスのC86組とそんなに変わらないのかも知れませんね。そうなると
The Pastelsや
Primal Screamなどよりもずっと大きな存在にまでなってしまったなと。
1年くらい前にメジャー移籍作をエントリしたきりで中途半端であったりしますが、件の『
Embryonic』をまだ聴いていませんし、これを機会に過去へ遡ってみます。
噂に聞いていたパンク色はそれほど強くもないのが第一印象でして。やはり、
The Flaming Lipsはその最初から独特の個性を発揮しているなと感じました。
逆に『
The Soft Bulletin』(1999)の大化けぶりが尋常ではないのかも知れませんよね、あれでは。
正直に申し上げて、飛び抜けて物凄い部分があったりする訳ではないのですけれども、収録曲はどれも等しくポップで捻くれているんですよ。そこが驚きです。
勿論、若さに任せてぶっとばしている側面も確かにありますが、とても穏やかでアコースティックな響きから始まり、次第に混沌へと突き落とされるM1「
With You」と来まして、ちっともアンプラグドではないM2「
Unplugged」の道の踏み外し方に胸が掻きむしられる思いですもんね。
CD化に当たりまして、追加収録されたM11「
Summertime Blues」もイイ味出しています。
どちらかと言えば、やはり、アルバム全体的にはサイケデリックに偏っているかと。
メジャー移籍第1弾の『
Hit to Death in the Future Head』(1992)の方がよほど質が悪くて、好き放題やりたい放題の下品さに勝っているでしょう。
まさに世が世ならば、最初からメジャー・デビューを果たしていたんじゃなかろうかと妄想が膨らんでしまうような音ですよ。
こいつはエラいことになって来ました。見くびってた訳ではないのですが、想像を遥かに超える手強さです。次はまた来月に。