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The Flaming Lips / She Don't Use Jelly (1993)

shedontusejelly
久しぶりにThe Flaming Lipsを聴いてみました。『She Don't Use Jelly』(1993)です。『Transmissions From The Satellite Heart』(1993)からのシングルですね。
エントリするのに既に時系列が崩れていますが、もう仕方ないことですね。


まずはM1「She Don't Use Jelly」です。このヘロヘロ具合。これですよ、これ。堪りませんね、この緩さ。乱暴な音処理も板についていますし。
近年の諸作には見られないこの手の作風には抗えない魅力がたっぷりです。


M2「Translucent Egg」はM1「She Don't Use Jelly」の印象的なギター・リフを使い回した気持ちの良いインストゥルメンタル曲です。
1曲目と地続きのようでいて場外での延長戦といった様相なので意外と面白いですよ。こういう遊び心も大好きなんです。


お次はM3「Turn It On (Bluegrass Version)」。これも凄く面白いです。こちらの原曲は件の『Transmissions From The Satellite Heart』に収録されていますね。
のどかなバンジョーの音色、小気味良く刻まれるリズム・ギター、痙攣しまくるリード・ギターの音色、ヘロヘロの歌声。それらが絶妙に混ざり合っていまして、何とも楽しげな雰囲気を作り出しています。
そして、取って付けたような最後の効果音とともに桃源郷にでも引き込まれてしまうような不思議なサイケデリック感覚が溢れ出していますよ。
The Flaming Lipsにもルーツ・ミュージックに根ざした側面がしっかりと存在することに新鮮さを感じました。
それから、このセッションにはThe Flaming Buttholes Family Jubileeと称してButthole Surfersの面々が参加しているのですから、道理で変態度も異様に高い訳ですよね。これまた大変に貴重な音源なので嬉しいですね。



最後のM4「******* (Porch Version)」の原曲もまたまた『Transmissions From The Satellite Heart』収録です。
ここでは中心人物のWayne Coyneが緩く、緩過ぎるくらいにギターの弾き語りを聴かせてくれます。手短かなテイクですが、その分メロディーの良さが浮き上がって来ます。The Flaming Lipsが単なる際もの、ただの変態ではないということが良く判る訳ですよね。


The Flaming Lips / Finally The Punk Rockers Are Taking Acid (1987)

finallythepunkrockersaretakingacid
Finally The Punk Rockers Are Taking Acid』(2002)、The Flaming Lipsの最初期の3枚のアルバム(実際にはデビューEPも含まれていますよ)をそっくり収めて、それぞれに追加収録曲も盛り込んだ3枚組の編集盤CDなんです。
最初のアルバム、『Hear It Is』(1986)については先月にエントリした通りですよ。


2枚目のアルバムの『Oh My Gawd!!!』(1987)と続く『Telepathic Surgery』(1989)が入手困難ですし、特に『Oh My Gawd!!!』がですね、ジャケット・デザインが悪趣味としか言いようがないこともありまして本盤をとても重宝している訳です。


結論めいたことを言ってしまいますと、『Finally The Punk Rockers Are Taking Acid』という表題通りの内容なんですよね。
特に(またしても)『Oh My Gawd!!!』の方がですね。重たいです、暗いです。変態度の高いM5「Ode To C.C. (Part 1)」などもあるにせよです。『Hear It Is』に溢れていたポップさも激減していますね、勿体ない。


幕開けでのM1「Everything's Explodin'」のぶっ飛び具合やM6「The Ceiling Is Bendin」にM7「Prescription: Love」、M8「Thanks To You」での格好良さはいかにもなThe Flaming Lipsらしさがあるんですが、せっかく作ったアルバムなのに着地点が見え辛いような気がします。
ただし、それもまたThe Flaming Lipsらしさなのかも知れませんよね。聴き進めて行きますとこれはこれで首肯、でしょう。


それに比べまして3枚目のアルバム、『Telepathic Surgery』の方は随分と好みの音だと言えます。
M8「Hell's Angel's Cracker Factory」なんかは想像通りのベタな作りですしM9「U.F.O. Story」にしても物語性があるようで若干、安直な印象もなくはないんですけれど、骨格のしっかりとした楽曲に以前にも増していろいろな効果音を絡ませるなどメジャー・デビュー直後の音像をすでに垣間見ることが出来ますね。


全般的に決してポップな明るさはないものの、引き締まった演奏と倒錯した遊び心が相乗効果を生み出しているのは間違いはずです。The Flaming Lipsの音としてどっしりと確立されているのではないでしょうか。
それが後になってから呼ばれるようになったアメリカのオルタナティヴなんたらなんですよ、なんてことを口が裂けても言いませんけれどね。


The Flaming Lips / Hear It Is (1986)

hereitis
久々のThe Flaming Lips、彼らのデビュー・フル・アルバム『Hear It Is』を聴いています。今秋には新作、『Embryonic』(2009)が発売ということで。
実際には『The Flaming Lips』(1984)というデビューEPがあるそうですが、世代的にはイギリスのC86組とそんなに変わらないのかも知れませんね。そうなるとThe PastelsPrimal Screamなどよりもずっと大きな存在にまでなってしまったなと。


1年くらい前にメジャー移籍作をエントリしたきりで中途半端であったりしますが、件の『Embryonic』をまだ聴いていませんし、これを機会に過去へ遡ってみます。


噂に聞いていたパンク色はそれほど強くもないのが第一印象でして。やはり、The Flaming Lipsはその最初から独特の個性を発揮しているなと感じました。
逆に『The Soft Bulletin』(1999)の大化けぶりが尋常ではないのかも知れませんよね、あれでは。


正直に申し上げて、飛び抜けて物凄い部分があったりする訳ではないのですけれども、収録曲はどれも等しくポップで捻くれているんですよ。そこが驚きです。
勿論、若さに任せてぶっとばしている側面も確かにありますが、とても穏やかでアコースティックな響きから始まり、次第に混沌へと突き落とされるM1「With You」と来まして、ちっともアンプラグドではないM2「Unplugged」の道の踏み外し方に胸が掻きむしられる思いですもんね。


CD化に当たりまして、追加収録されたM11「Summertime Blues」もイイ味出しています。
どちらかと言えば、やはり、アルバム全体的にはサイケデリックに偏っているかと。


メジャー移籍第1弾の『Hit to Death in the Future Head』(1992)の方がよほど質が悪くて、好き放題やりたい放題の下品さに勝っているでしょう。
まさに世が世ならば、最初からメジャー・デビューを果たしていたんじゃなかろうかと妄想が膨らんでしまうような音ですよ。


こいつはエラいことになって来ました。見くびってた訳ではないのですが、想像を遥かに超える手強さです。次はまた来月に。


The Flaming Lips / Providing Needles For Your Balloons (1994)

providingneedles
以前にエントリしました『Transmissions From The Satellite Heart』(1993)と次作の『Clouds Taste Metallic』(199)との狭間に発売されたThe Flaming Lipsのミニ・アルバムを取り上げてみましょう。
ペラい紙ジャケットに包まれた『Providing Needles For Your Balloons』(1994)です。


全8曲、内容としてはシングルのB面からさえも漏れてしまったような類いの欠片を寄せ集めたものです。
もっとも、好事家には大変に嬉しいブツには違いありませんよ。


M1「Bad Days」は件の『Clouds Taste Metallic』にも収録されたポップでキャッチーな、フックの利いた佳曲です。実際には初期ミックスといったところなのかも知れませんね。
牧歌的で、でも可愛らしくて。尚かつこの時期のThe Flaming Lipsにとっての頂点を極めた感が窺えます。


M2「Jets Part 2 (My Two Days As An Ambulance Driver)」、これはメジャー移籍第1弾アルバムの『Hit To Death In The Future Head』(1992)収録のお変態チューン、「Talkin' 'Bout The Smiling Deathporn Immortality Blues (Everyone Wants To Live Forever)」がもともとはシングルとして切られていまして、そのB面曲の別テイクのようです。


続きまして、Suicideのトリビュート盤に参加した際のM3「Ice Drummer」、チェロを交えた宅録のようなN4「Put The Waterbug In The Policeman's Ear」のことはそれぞれ良く判らないのですけれども、貴重な演奏ではありますね。


1993年12月、とあるインストア・ライヴの模様を収めたM5「Chewin The Apple Of Yer Eye」とM6「Chosen One」にM7「Little Drummer Boy」の3曲はもっと貴重ですね。
M5「Chewin The Apple Of Yer Eye」の方は『Transmissions From The Satellite Heart』収録曲、M6「Chosen One」はと言えばDrag City Recordsの重鎮であられるSmogのカヴァーなのですね。良い歌です。


M7「Little Drummer Boy」については演奏はヘロヘロですけれど、時節柄でしょうかきちんとクリスマス・ソングを取り上げてみるなど意外にも良識を持ち合わせているところを見せていますよ。


問題なのは最後の8「Slow Nerve Action」ですよ。
これも『Transmissions From The Satellite Heart』に収録された最凶の爆裂ナンバーなのですけれど。
このラジオ放送用音源のライヴ・テイクが鬼のように極悪です。


怒濤のヒューマン・ビートボックス(←何コレ)に導かれ、ひしゃげたギター音が吹きすさぶは断末魔の如き絶叫が発せられるはで痛快極まりませんよ。
The Flaming Lipsの本質はここにあり、を超えてアメリカン・オルタナティヴの源泉のひとつに挙げられますよ、確実に。



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The Flaming Lips / Transmissions From The Satellite Heart (1993)

trancemission
前作の『Hit To Death In The Future Head』(1992)に続くメジャー移籍第2弾アルバム、The Flaming Lipsの『Transmissions From The Satellite Heart』(1993)が登場です。
より一層磨きがかけられ、飛び石進級の如く上へ上へと登り詰めて行く様子が捉えられてますよ。


ちなみに初めて聴いたThe Flaming Lipsがこれでした。
厳密に申し上げますと、かれこれ15年前にモダンチョキチョキズのエレキソロバン担当のラジオ番組でM6「Superhumans」を耳にしたのがことの始まりでしたね。
それはもう身体に電流が走ったかのような衝撃でしたので。


綿菓子のように甘ったるいメロディーをふやけた歌声が上滑りして行く訳です。
これはどういことなのでしょう。
根本的に哀しいまでにキーが合っていませんよ。


実際のところこのヘロへロな歌唱が絶妙に琴線に触れる訳でして、それが狙いだとしたらばそれはそれで相当なものですけれど、止むに止まれぬ結果としか思えない気がしないでもない訳ですよ。


当時、局地的にThe Flaming Lipsにとっての『RevolverThe Beatlesと言わしめただけありまして、その感触といたしましては万華鏡の如く煌びやかなものです。


加えてM11「Slow Nerve Action」で聴くことの出来る爆音のようなドラム・サウンドも手伝って非常に極端な低域の音作りが耳を惹くのですけれど、とにかく奇妙奇天烈なギターの音色が大変に刺激的です。


これ即ち、脳みその皺を伸ばされるような感覚と同時に神経を逆撫でされるかのような感覚に陥る羽目となりまして、快楽の絶頂と奈落のどん底の両極端に陵辱される自らをさながら鳥瞰図として眺める格好という訳です。


これは危ういです。
非常に危うい、地球危うしです。


ワクワクしますね。


ドキドキしてしまいますね。


基本は悲しくも楽しい泣き笑いポップながら、下世話で自由奔放な側面も際立つ彼らの傑作の瞬間と申し上げておきましょう。


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プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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