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Pixies / Complete 'B' Sides (2001)

complete b sides
PixiesのB面曲集、『Complete 'B' Sides』(2001)です。収録曲は発売された順ですし便利な1枚ですね。


M1「River Euphrates」は勿論、『Surfer Rosa』(1988)収録のものとはヴァージョン違いで、こちらの方が好みです。
続くライヴ版のM2「Vamos」では改めて異形のグループなんだと思わされます。これはこれでまた別の迫力がありますよね。


M3「In Heaven (The Lady In The Radiator Song)」につきましてはエントリ済みの『Pixies At The BBC』(1998)でPeter Iversを聴かなくてはならないと言及しているにもかかわらず未だに果たせていません、面目ないです。


またまた別ヴァージョンのM7「Wave Of Mutilation (UK Surf)」も興味深いんですが、M11「I've Been Waiting For You」とM14「Winterlong」の2曲は面白いことにNeil Youngをカヴァーしたものなんですよね。
M14「Winterlong」では紅一点のKim Dealが歌っていることもありまして、尚更に興味津々という訳です。


Bossanova』(1990)時代の録音で、結局は歌詞が付けられることがなかったM13「Velvety Instrumental Version」。とても引き締まった演奏ですし曲想もとても良いだけに勿体ないですね。


ここまで厚い音圧はPixiesらしくないなと思いつつも意外と好きな最後のM19「Letter To Memphis (Instrumental)」まで引っくるめてたっぷりと堪能することが出来ますからね、本当にお得な編集盤ですよ。
たとえB面曲であっても舐めてかかるなんて迂闊なことは厳禁です。


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Pixies / Pixies At The BBC (1998)

pixiesBBC
久しぶりにPixiesを聴いてしまいました。『Pixies At The BBC』(1998)という編集盤です。
BBC音源ということで例によってThe John Peel Showからのが中心です。


曲順は年代ごとでもなく適度に散らされているんですが、何はともあれ冒頭に置かれたM1「Wild Honey Pie」を聴いて思わず肝を冷やしてしまいますね。そうです、これはThe Beatlesのあの「Wild Honey Pie」。禍々しくも狂乱のカヴァーです。
こんな発想はまずありませんよね。正直に言って、『The Beatles』(1968)を聴く際には飛ばしていることの方が多い訳ですよ。それがまさにPixiesのために書かれたかのように轟き、突き刺さって来るんですから。何やら必要以上に殺気立ったものまで感じられるんですよ、本当に。1988年録音ということなのできっとデビュー前から無茶なことを演っていたんですね。


もっとも、番組のためになっているのか良く判らないくらいに全編に渡って狂気を孕んでいるのは言うまでもありません。Black Francisが相変わらず吼えまくっていますし、太めの頃とどんどん恰幅がよくなって行った頃とで中味についての差は特別にありませんし。
シングルB面曲のM5「Manta Ray」にしても手抜きなしの全力投球ですからね。ベスト盤とはまた違った味わいです。


名曲、M13「Monkey Gone To Heaven」が重ね録りしているのにストリングなしでありますが、その臨場感は迫力満点。湯気を放出させながら演奏している様子が勝手に目に浮かびます。


最後の「Lady In The Radiator Song (In Heaven)」は『Eraserhead』(1977)のサウンドトラックからカヴァーしたものなんですね。これまたもともとのPeter Ivers版がどんなものなのか想像もつかないような出来上がりですね。こうなったらPeter Iversも聴いてみなくちゃなりません。


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Pixies / Doolittle (1989)

doolittle
Pixiesの傑作アルバム、『Doolittle』(1989)です。
以下、旧ブログからの転載なんです。

まずはアメリカのCMJにおいて人気を博したのが2作目、『Doolittle』(1989)です。見てくれが野暮ったいPixiesのような連中においても、4ADはジャケット・デザインまわりに関して細やかに神経を使ってくれています。


Steve Albiniが関わった『Surfer Rosa』(1988)後、ここに来て“始めはソフトに静かに、次にラウドにハードにというダイナミクス”(© Kurt Cobain)とされる典型がM1「Debaser」やM4「I Bleed」、M15「Gouge Away」などで鮮やかに確立されています。


また、それ以上に皮膚を突き刺すような狂気が全体を覆っていまして抜き差しならない緊迫感に繋がっています。


お気に入りのM1「Debaser」のサビにおけるKim Dealの歌声も交えたつくりについては、敢えて言えば可愛らしささえ感じてしまします。


M2「Tame」がこれまた加速度的に暴走する物騒な1曲です。狂気を無理矢理押し殺したようなひら歌から一転、こめかみの血管がぶち切れんばかりに雄叫び発し、烈火の如く吠えるという危険球。
大鉈を振るうようなギター音にも痺れてしまいます。


これら冒頭の2曲で聞き手の耳を鷲掴みした後には緩急をつけた構成が巧い塩梅であります。
以降、スパニッシュ風味あり毛色の変わったM14「Silver」ありと、どれも尺が短く剥き出しの生命力に溢れる全15曲です。


ポップなM5「Here Comes Your Man」とM10「La La Love You」に対しては以前だと殺伐とした周囲から浮き上がっている印象を受けていたものの、改めて聴いてみますと程よい軽さが心地良くさえ感じられます。

 
その一方で、ささくれ立った切れ具合を保つM6「Dead」やらわずか1分半未満で駆け抜けるM9「Crackity Jones」における際どい凶暴性も斬新です。


人気曲のM7「Monkey Gone To Heaven」ではストリングスを被せることで荘厳な雰囲気すら漂います。
重厚な音の重なりに身を委ねていますと雲の隙間から光りが差し込む様子すら連想してしまいますが、Black Francisの絶叫によって空間を切り裂かれ我に返るといった始末です。


そんな訳で再結成ツアーを行っている(いた)とかいう今現在のPixiesには微塵も関心を持つことが出来ないので昔を懐かしんでおきます。


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Pixies / Surfer Rosa (1988)

surferrosa
Pixiesサマーソニック2010への出演が決定し5年ぶりの来日公演となるそうです。
今ひとつ惹き付けられませんが、良い機会ですので初のフル・アルバムでもある『Surfer Rosa』(1988)を“もういち度”取り上げてみましょう。つまるところが旧ブログのとばすぜ ハイウェイからそっくり引用した手抜きエントリです。


ボストンを根城にするPixiesがひょんなことから4ADに拾われ、豪快にぶちかました最初のフル・アルバムが『Surfer Rosa』です。
ジャケット・デザインの美しさが4ADならではです。


一目見てロック・ミュージシャンには到底思えない4人ですが、逆説的にそんな彼らが最高にロックな存在と言えるのかも知れません。


ハードコア職人、Steve Albiniが録音を手掛けたことによって、空間を活かした独特な音の組み立てが奏功し騒々しくも輪郭が明確です。


それにも増して剥き身の生々しさに溢れた疾走感で聴く者の胸の内を焼き尽くし、凶暴なギターが轟くのはこれ以降も変わらぬ所作です。
また、パンクを通過した奔放な破れかぶれ具合が何とも痛快です。


M1「Bone Machine」から狂乱の咆哮が炸裂する物騒な幕開けに覚悟を決めます。
Mrs. John MurphyことKim Dealがリード・ヴォーカルをとるM5「Gigantic」はと言えば、M3「Something Against You」やM6「River Euphrates」などが居並ぶこれ以上無いほどに殺伐とした雰囲気の中でひと息つける瞬間です。
M7「Where's My Mind」におけるスケール感の大きさは特筆ものです。


今回、本作を聴き直すことによって手持ちの輸入盤CDにはデビュー・ミニ・アルバムの『Come On Pilgrim』(1987)が追加収録されていないことに初めて気が付いたというのは、ここだけの話です。
収録曲数が多いのですっかり勘違いをしていました。彼らのアルバムはどれも平気で15曲くらいは収録していますので。


ちょうど『Come On Pilgrim』が丸々追加された日本盤紙ジャケットCDへと買い替える絶好の機会でした。ジャケット・デザインも美麗極まりないことですし。


Surfer Rosa』と比較して、演奏や曲想自体は根本的には変わりありません。仕上がりとしては相対的によりパンク色が強く習作の域に留まっているのではと感じる程度です。
M14「Caribou」やM20「I've Been Tired」、M21「Levitate Me」などには端々に猛り狂う様子を窺うことが出来ます。



と、まあ、未だに色褪せることのない音であることには感服せざるを得ませんね。ある意味、そこでは永遠に新しい音塊が鳴らされているとも言えそうですので何とも痛快です。
とは思いつつも再結成ライヴにはちっともそそられないことも事実ではあるんです。


Pixies / Trompe Le Monde (1991)

trompelemonde
Pixiesの4作目にして最後のアルバム、『Trompe Le Monde』(1991)の出番です。
前作『Bossanova』(1990)の風変わりなサイファイ・サーフ・パンクからどう脱皮して今度は何だろと勘ぐる暇も与えぬ全15曲、密度が非常に濃いです。


全体の流れを重視しているのか、曲間を置かずに息もつかせず矢継ぎ早に畳み掛ける疾風怒濤の構成が痛快ですね。
しかも、相変わらずRamones並に2分台という短さで曲調もばらばら。
ファンクにパンク、スパニッシュやらThe Jesus And Mary Chainのカヴァーありと。お祭りかと。


まずはエッジの効いたギター、ひしゃげたヴォーカルが猛威を振るうシングル曲、M2「Planet Of Sound」に持って行かれてしまいますよ。


尖り具合も相変わらずですけれど、Black Francisのその重量感溢れる肉体同様に余裕すら感じられますし。
1年に1枚のペースでよくもこんなにも刺激的なアルバム作品を作り上げ続けてしまうのですから、そういう意味でも脂が乗っていましたね。


最後のM15「The Navajo Know」のひとつ手前のM14「Motorway To Roswell」には一抹の寂しささえ感じてしまうのですけれども、聴いている方はまさか解散するなんてことを想像だにしていませんでしたからね。


研ぎ澄まされてはいるものの、キーボードを導入し厚みと幅を持たせたお陰で隙間という隙間を塗り込め過ぎてしまったことは否めないようです。
この辺が受け入れられ難い関門なのかも知れません、って他人事ではなくて。


そのほかにも気付いたこともありまして。
真夏に聴くものではないなと。



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北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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