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Stereolab / Simple Headphone Mind (1997)

simpleheadphonemind
今月のStereolabは『Simple Headphone Mind』(1997)です。実際にはNurse With Woundとのコラボレーション盤ですよ。


以前にもNurse With Woundと一緒になって演った同様の企画音源が『Refried Ectoplasm Switched On Volume 2』(1995)にも収録されてはいました。
それら『Crumb Duck』(1993)の2曲は実験的と言いましょうか、やはり前衛的なものでしたね。



今回の12インチ盤の2曲はアルバム未収録曲を集めた『Aluminium Tunes』(1998)にも収録されていないので貴重ではありますよね。
おまけに本盤はですね、特殊ジャケット仕様なんですよ。厚いアルミ箔のような装丁なんです。完全に密封されているんですよ。これには驚かされましたね、初めて手に取った時には。即、会計を済ませた訳です。


そんな経緯もありまして、未開封です。


つまり、聴いたことがありません。今後も開封しようという気が起きません。
限定版CDも発売されたらしいのですが、手に入る訳がありません。


ロック・ミュージックなんかに長いことうつつを抜かしていますと、こんなこともありますよね。反論なら受け付けませんよ。
そういうことにしておくんです。


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Stereolab / Fluorescences (1996)

fluorescences
今月のStereolabはシングル盤というかEP盤というか、とにかく4曲入りの『Fluorescences』(1996)です。
同年のアルバム、『Emperor Tomato Ketchup』を発売したばかりだというに、また傾向の異なる1枚なのです。


既にTortoiseJohn McEntireから離れまして、ほとんど自力でこなしているものの、今回もやはりSean O'Haganが全面的に協力しているという蜜月体制ですね。
その貢献度は一聴して判る通り、ブラスの導入によるものです。底なしの才能ですね。ブラスが加わって生身の温かい雰囲気も本盤の最大の特徴でもありますよ。


まずはM1「Fluorescences」です。
これまでよりも一段と華やかに聞こえて来るのはそのブラス隊のお陰でしょう、確実に。
これまたストリングスを大幅に導入した同じ1996年発売のシングル盤、『Cybele's Reverie』とはまったく別の意味で印象的なんですよ。ちょっとした新機軸ですね。
それに『Emperor Tomato Ketchup』とも違う優しく丸っこい音使いににんまり。何だかRei Harakamiの音のような可愛らしさがありますね。


続く、M2「Pinball」にしてもとても柔らかい音が敷き詰められていまして、ラウンジ感覚が強くお洒落度も天井知らず。そして、何よりポップ!ラウンジなのに、これぞポップ!!
いつにも増して完成度は高く、絶好調ぶりがしっかりと伝わって来ますね。


ワルツのゆったりとしたテンポのM3「You Used To Call Me Sadness」。優雅ですね。Laetitia Sadierの歌がどうしたって冷淡にしか聞こえないところにブラスのふくよかな音色とアナログ・シンセサイザーの懐かしい音色が交わり重なるというこの幸福感。いつもの通りのコーラス・ワークにもうっとりですよ。
そう言えば、この「You Used To Call Me Sadness」のヴァージョン違いが『Aluminum Tunes』(1998)というレア・トラック集に収録されているのですが、厳密にはこれら4曲はここでしか聴くことが出来ない訳なんですね。



最後のM4「Soop Groove #1」、13分に及ぼうかという尺の長さで珍しくもファンキーなノリはStereolabらしくなそうでもありますが、意外とクセになる。
まさにシングルのB面でしか実現しない代物ですし、この辺りの変わらなさとある意味で頼もしいところなんですよね。期待を裏切るようで沿ってもいるということで抜かりないんですよ、まったく。


再度、Duophonic Ultra High Frequency Disksのロゴも改められてから1枚目の『Fluorescences』、聴きどころ満載ですので機会がございましたら是非に。


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Stereolab / Emperor Tomato Ketchup (1996)

emperor
今月のStereolabは『Emperor Tomato Ketchup』(1996)ですよ。
このアルバム1枚で世界的な人気を一気に博した、はずです。
それでも、そんなこととは無関係にここでは文句なしに大傑作扱いなのです。


これまでと比較すると段違いに多彩な音が入り混じっていますし、表現の幅がとんでもなく広がっています。パーカッション類が目立つようになりましたしね。
Transient Random Noise Bursts With Announcements』(1993)が金属同士がぶつかり合うような感触だったのが、随分と色鮮やかで弾力性に富んだ肌触りなのではないでしょうか。『Mars Audiac Quintet』(1994)や『Music For The Amorphous Body Study Center』(1995)を確実に通過した後であることを如実に物語っていますね。


これはまさにTortoiseJohn McEntireが全面的に関わっているからこそなんでしょう。録音方法に凝っているのも見て取れますし、この蜜月関係は最強ですね。
全13曲、どれもが表情豊かで緻密で有機的。アナログ・シンセサイザーの音の壁は立ち消え徹底したハンマービートは息を潜めつつ、ポップなメロディーはそのままにモンドな要素やら陽性のサイケデリアがないまぜに。
どこか懐かしいのに何故だか近未来的な音像もとても魅力的、内容も最強です。


あとは、この時期になりますとMary Hansenの歌う比重も増して来まして、双頭ヴォーカルが当たり前の様相なんですよね。
どちらかと言いますとTim GaneLaetitia Sadierが居ればそれがStereolabであるようなところがあったりしまして、グループとしてのまとまりよりもふたりの志に相容れないと離脱せざる得ない側面があるのでは勘繰っています。
そうしたメンバーの入れ替わりが激しいところで、Mary Hansenの存在というのは本当に貴重でした。


それから、ミニマル路線というのも本作では大きな柱なのですけれども、その象徴的なM1「Metronomic Underground」のリミックスが12インチ盤として切られたり。
ジャケット・デザインが色違いの先行シングル、『Cybele's Reverie』(1996)の表題曲のM2「Cybele's Reverie」はそのロング・ヴァージョン(大名曲)、同じく『Cybele's Reverie』収録の「Les Yper-Yper Sound」の完全版とも言えるM4「Les Yper-Sound」。
遊び心溢れるM9「Emperor Tomato Ketchup」がこれまた寺山修司作品から引用された表題であったり、M11「Motoroller Scalatron」では冒頭から“ホイサッサー”と空耳が炸裂するなど聴きどころだらけ。


そんな中でもM7「The Noise Of Carpet」の極めて単純なかっ飛び具合に結局はひれ伏してしまうんです。


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Stereolab / Cybele's Reverie (1996)

cybelesreverie
今月のStereolabは『Cybele's Reverie』(1996)、大傑作シングルです。
自前のレーベルであるDuophonic Ultra High Frequency Disksからのちょうど10枚目に当たりまして、この盤からレーベルのロゴが一新されました。


何はなくとも表題曲のM1「Cybele's Reverie」に度肝を抜かれてしまいます。ちょっとした事件でしたね。今でも改めて聴いてみますと衝撃的です。
こんなにも優雅なポップ・ソングを聴いたことがありませんよ、まったく。


出だしからストリングスの音色が華麗に舞い上がり、奥ゆかしいメロディー・ラインに飛んだり跳ねたりするスキャットが絡み合います。温もりがあってどこか懐かしいながらもハイカラな音作りが本当に素敵です。美しいです。
これは確実に『Music For The Amorphous Body Study Center』の流れを汲んだものですし、何と言おうと言われようと大名曲だと勝手に決めつけております。


相次いで発売された『Emperor Tomato Ketchup』(1996)収録のアルバム・ヴァージョンを端折ったこぢんまりとしたものにもかかわらず、逆にポップ度が高まっております。


M2「Les Yper-Yper Sound」は件のアルバム、『Emperor Tomato Ketchup』にも収録されている「Les Yper-Sound 」の別ヴァージョンのようなものです。
これはもうほんのさわりですから若干、消化不良なんですけれどエレクトロでトライバルなビート感覚が心地良いですね。


次のM3「Brigitte」なんですけれど、この時期のStereolabらしさが良く出た清楚なポップ・ソングかと思わせておいて実は少し大胆に仕上がっております。
取って付けたような後半の部分も浮遊感がたっぷりなままに、前半の艶かしさと同様に蕩けてしまいそうになるくらいの麗しさなんですよ。


従来路線に近いようで違うようなM4「Young Lungs」にはサックスが導入されていまして、この辺りは今後のStereolabの作風にも繋がって行くところですね。
食い足りなさが残るものの今までにない洗練さが特徴的ですよ。


いつも通りにSean O'Haganの参加があるんですけれど、実はこのシングルからJohn McEntireが制作と演奏に関わっています。これは大きいです。
Tortoiseの中心人物にしてシカゴ音響派の首領なんて認識もあるでしょうし、この組み合わせが時の流れの中で必然だとしてもある種、とても幸福なものだと確信します。
事実、『Emperor Tomato Ketchup』で世界的な成功を手にした訳ですんで。


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Stereolab / Refried Ectoplasm Switched On Volume 2 (1995)

refried
今月のStereolabは毎度お馴染みの編集盤シリーズより『Refried Ectoplasm Switched On Volume 2』(1995)を。
これまでツアー先での限定販売シングルなどを何種類も発売したりと彼ら自身というかTim Ganeに蒐集癖があるようでして自分でも嬉々としてリリースを重ねている節があるんですね。そういった膨大なのに貴重な音源を含めて自らこうしてしっかりとまとめてくれるのは凄くありがたいことですよね。
ここまではジャケット・デザインにも統一感があります。


当然、内容に統一感はありません。ハンマー・ビートや古めかしいアナログ・シンセサイザーの音色は共通しますけれど。
大体がアイディア1発勝負の楽曲がほとんどかも知れませんが、それはそれで小粒で可愛らしかったするのです。アルバムから漏れたようなものばかりですから、どれもちょいと緩めの出来上がりなんですね。ガレージ色も『Space Age Batchelor Pad Music』(1993)と『Transient Random Noise Bursts With Announcements』(1993)の狭間でどうにも行き場のなかったものが良い方向へ転んでいるようです。


M1「Harmonium」とM12「Farfisa」はアルバム未収録の初期シングルですね。ご多分に漏れず、Neu!から思い切り影響を受けたそのまんまの2曲です。1992年発売です。
特にM1「Harmonium」の場合には簡素過ぎるコード進行に沿って正確無比に打ち下ろされるハンマー・ビートと鷹揚のない歌声という典型です。


M2「Lo Boob Oscilator」とM13「Tempter」は何とあのSub Pop Recordsからの発売なんですよね。“Sub Pop Singles Club”でしたっけ。それにしても、こんな重要な2曲を自前のレーベルから出さないで何をやってるんだか。
M2「Lo Boob Oscilator」なんかはこれまでのStereolabの中でいちばん可愛らしのではないでしょうか。
そして、M13「Tempter」です。気が遠くなるくらいに何度も繰り返し聴いて来た1曲です。好きです、大好きです、止められません、止められないんです。
コードふたつでがなり立てるアナログ・シンセサイザー、奇妙なスキャット(?)、エフェクト処理されたドラムスが猛然と畳み掛けるといった単純な構成なのに。
至福の瞬間、もう胸がいっぱいです。


M3「Mountain」はTeen Beat RecordsからのUnrestとのスプリット・シングルより。
M4「Revox」はもともとは2枚組の7インチ・シングルのオムニバスに収録されていたものです。


人気曲のM5「French Disko」はヴァージョン違いでして。1993年発売のシングル盤、『Jenny Ondioline』収録版よりもこちらの方がすっきりとして簡潔ですね。


M7「Eloge D'eros」とM10「John Cage Bubblegum」はアメリカのギターポップの総本山、とは言い難いSlumberland Recordsから発売されたシングル盤からです。
M7「Eloge D'eros」のスキャットのようなコーラスのような、がとても可愛くていちばんポップな1曲ですよ。いつものようにアナログ・シンセサイザーがうねりまくりギターがザクザクとコードを刻むStereolab節。ギターポップの要素がイイ味出していますよ。
疾走感溢れるM10「John Cage Bubblegum」もなかなかのものでして、アルバム未収録だからと侮れないところだらけですね。


M8「Tone Burst (Country)」は件の『Transient Random Noise Bursts With Announcements』の冒頭に収録された「Tone Burst」のその名の通りのカントリー・ヴァージョン。最初はピンと来なかったんですけれど思わず心が和みますよ。


以下の2曲はNurse With Woundとのコラボレーション盤より抜粋されたものです。
M6「Exploding Head Movie (Stereolab And Nurse With Wound) の場合は1993年のシングル曲、「Jenny Ondioline」の変形のような感じでしょうか。
M9「Animal Or Vegetable - A Wonderful Wooden Reason」ですと、終盤にカット・アップなんかを捩じ込んだりして13分以上にも及ぶという聴き通すにはちょっと辛いものがあるんです。


アルバム未収録でこんなに盛り沢山とは本当に驚きです。滅多にない充実した編集盤ですよ。


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プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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