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The Damned / Damned, Damned, Damned (1977)

damned
The Damnedの『Damned, Damned, Damned - The Damned』(1977)を聴いてみました。『地獄に堕ちた野郎ども』という邦題のデビュー・アルバムですね。
きっかけは発売から35周年であることと先日、放送の『タモリ倶楽部』での「空耳アワー」です。


このThe Damned、パンクとしてシングル盤もアルバムもいちばん最初に発売した訳なんですが、現在でも活動中であることに驚きです。それもまたパンクな生き様なんでしょうか。
そんなことはともかく、Captain Sensibleによるベース・ギターに導かれて始まるM1「Neat Neat Neat」で魅せる切り込み具合が痛快ですね。単純に格好良いです。


1分にも満たないM5「Stab Your Back」、これが件の「空耳アワー」の中で採用されていまして。ほとんどサビだけしかないというのに連呼されるその“Stab Your Back”が“作業場”に聞こえるというもの。評価は手拭いでした。


1976年、パンクのシングルとして初めて発売されたシングル曲でもあるM7「New Rose」。そのB面に収められているのが「HelpThe Beatlesなのが何とも奇妙ではありますが、その勢い任せで向こう見ずなだけの姿勢には胸の空くような思いですね。


The Stoogesのカヴァー曲、M12「I Feel Alright」で締めくくられる30分ちょっと。若気の至りにしてはまとまりのある1枚だな、と。


たまに聴く分にはすんなりと受け入れることが出来るものですが、ただただ右から左へと通り過ぎてしまうのも否めないところです。それでも、こうして未だに聴いていられるのもNick Lowe制作に依るところが大きいんでしょうね、やはり。


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Alex Chilton / 19 Years : A Collection Of Alex Chilton (1991)

alexchilton19years
Alex Chiltonの『19 Years : A Collection Of Alex Chilton』(1991)を聴いてみました。
Big Starの名盤、『Third / Sister Lover』(1978)からの5曲を含む19曲で19年を振り返るというベスト盤CDです。ソロとしては1970年代末から1980年代後半にかけての録音なんですね。


ペダル・スティールの音色が際立つ代表曲の「Free Again」から実は発売へと漕ぎ着けるまでに4年もかかってしまった件のBig Star時代の音源を挟みましてM7「Bangkok」にM9「Like Flies On Sherbert」、M10「My Rival」と続けざまに異形のロックン・ロールが打ち鳴らされるのは圧巻ですね。


Alex Chiltonのこの歌声。業が深い、深過ぎるんです。
ブルーアイド・ソウルのThe Box Tops時代から連なる深淵とでも言いましょうか。


カヴァー曲も割と収録されていまして、M8「Can't Seem To Make You Mine」の場合はあのThe Seedsですし、粘るベース・ラインに導かれるM13「Tee Ni Nee Ni Noo / Tip On In」のメドレーはSlim Harpo、そしてM15「With A Girl Like You」はThe Troggsといった具合に多岐に渡るというよりも支離滅裂ですね。
おまけにGipsy Kings版をCM曲として頻繁に耳にするM16「Volare」まで演っているんですから。


こんな風に無茶なことを演りつつ、だからこそこっそりと熱烈な支持を得ていたAlex Chiltonもすでに存命ではないという事実。これまた何とももどかしいものですね。


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Velocity Girl (1993)

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Velocity Girlの1993年にSlumberland Recordsから発売された編集盤CDです。特に表題はないようです。6曲入りです。


直後にSub Popへと栄転して行くVelocity Girl。そのグループ名は勿論、Primal ScreamのシングルのB面曲からなんですが、強く影響を受けているようでもなさそうです。歌はともかく、演奏の方はいかにも1990年代初頭を感じさせる勢い任せのものです。
学生バンドが学生向けに演っているような印象は変わらずに、その初期音源集を20年後にも聴いていられるなんて。


それもこれもひとえにM3「Forgotten Favorite」に理由があります。ほかの収録曲が悪い訳で社決してないんですが、この1曲には適いません。
何なんでしょうか、胸の中を一気に駆け抜けるこの爽快感は。痛快ですね。この手の向こう見ずは大歓迎です。若気の至りで大いに結構です。


最後に骨太なアコースティック版も収められているM1「I Don't Care If You Go」もM4「Why Should I Be Nice To You?」もM5「Not At All」にしても先代の女性ヴォーカルがより甘いのもご愛嬌。
イギリスやスコットランド、そしてアメリカの若い連中が1980年代末の下積みを経て花開かせた“あの頃”。そんな音を色濃く反映させた響きが確かにここにもあるんです。


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My Bloody Valentine / EP's 1988-1991 (2012)

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今回は久しぶりにMy Bloody Valentineです。リマスターされた『Isn't Anything』(1988)と『Loveless』(1990)という2枚のアルバムと同時に待望の編集盤も発売されました。『EP's 1988-1991』(2012)です。
3種ともにKevin Shields本人の手によるリマスターということも話題でしょうか。


この2枚組の内訳ついてはこれまでCreation Recordsから発売されたEP、4枚分と2枚のアルバムにも収録されていない7曲分というものです。誰もが思い描いていた内容ですよね。
曲順としては発売された順番で1枚目には『You Made Me Realise』(1988)、『Feed Me With Your Kiss』(1988)、『Glider』(1990)が丸ごと収められています。2枚目には『Tremolo E.P.』(1990)とその他というものです。


リマスターされた効果については判りません。1枚目のM1「You Made Me Realise」を聴いて音質がどうのこうのというのには違和感を覚えますし、M6「Feed Me With Your Kiss」の凄まじさは相変わらずだからです。
それでも、2枚目のM4「Moon Song」における眩いばかりの美しさを再確認した次第ではあります。


そこで、きちんと聴くことが出来るようになった件の7曲にどうしても注目してしまいますよね。
2枚目のM5「Instrumental No. 2」は『Isn't Anything』の初回プレスの付録だったという7インチ・シングルの収録曲でPublic Enemyのドラム・ループを拝借したのだとか。Kevin Shieldsの手遊びの範疇とも言えそうですね。
その片面だったM6「Instrumental No. 1」の方はやはり、『Isn't Anything』の録音時のアウトテイクなんだろうなといった印象です。手数の多過ぎるドラムスも痛快ですね。
さすがに初回盤を持っていなかったので20年以上に渡る溜飲を下げることが出来ました。


次のM7「Glider (Full Length Version)」は『Soon (The Andrew Weatherall Mix)』(1990)のB面曲なんですが、どうせならその「Soon」のリミックスも一緒に収録してくれるともっと面白いんですけれどもね。
そんな訳で今回の再発売を以てすべての音源を網羅していることにはならないんですよ。確か「Map Ref 41°N 93°W」というWireのカヴァー曲も抜けていますし。


M8「Sugar」はフランス盤のシングル、『Only Shallow』(1991)のB面曲なんだそうですが、ギターのリフレインが『Loveless』収録の名曲、「What You Want」のそれにそっくりなんですよ。ある意味でその原型だったのかも知れません。


残るM9「Angel」とM10「Good For You」、M11「How Do You Do It」が未発表曲であります。残念ながらクレジットが記載されていないので詳細は不明です。
初めて聴いた訳ですが、音の感触と曲調から判断するにM9「Angel」は『Loveless』の際の、M10「Good For You」とM11「How Do You Do It」はやはり『You Made Me Realise』から『Isn't Anything』期の産物ではないかと。正直に申しまして、どれもこれも煮え切らない出来上がりですのでこれまで日の目を見なかったのも当然のことかと。


最後にひと言。本盤はちょっとした紙ジャケット仕様なんですがCDが剥き出しのままで収められています。2枚目の方は読み取り面がブックレットに接しています。輸入盤の場合は未だにこんなことが横行しているんですよね。もう、元には戻しませんよ。


The Stairs / Right In The Back Of Your Mind (2006)

rightinthebackofyourmind
今回はThe Stairsの編集盤、『Right In The Back Of Your Mind』(2006)をば。
最初のアルバム、『Mexican R'n'B』(1992)前後の自宅録音も含むデモ音源などをまとめた貴重なCDですね。


当時、Edgar Summertimeによる偏執狂的な懐古主義の音作りが話題を呼びましたが、そんなモノラル録音の『Mexican R'n'B』やEPを買い逃したままであったことを未だに後悔しています。数年前に正式な2枚目のアルバムが発売されたとのことですが、再発売される兆しは見当たりませんね。
とにもかくにも20周年記念拡大盤を切望しております。


内容としてはデビュー曲のM1「Weed Bus」からM2「Mr. Window Pane」、M4「Laughter In Their Eyes」、M5「Out In The Country」にM9「Sometimes The World Escapes Me」、M10「Fall Down The Rain」といった具合に件の『Mexican R'n'B』収録曲が大半を占めています。
デモ音源ながら熱量の高い、感情が剥き出しの我武者羅さが好印象です
その中でも強烈極まりない禍々しさを発揮しているM3「Right In The Back Of Your Mind」は本盤の表題曲だけありまして相当に作り込まれています。


ライヴ音源でもあるBo Diddleyのカヴァー曲、M6「You Don't Love Me (You Don't Care)」で怪気炎をあげる一方、M8「Happyland」の放つサイケデリックな臭みはまさに1960年代後半の雰囲気を体現しています。


本編の最後の「We Could Be Happy」という隠しトラックを挟んで国内盤に追加収録された2曲が続きます。
解散間際の音源だというM16「What Has Gone Wrong With This World」に至ってはまさかと感じるほどの熱気溢れる演奏を目の当たりにすることが出来ますよ。


グループ結成から2枚目のアルバム、『Who Is This Is』(2008)のためのToe Rag Studio録音(M11「[Untitled]」からM14「Cabbage Man」の3曲でしょうか)まで失われたThe Stairsの音塊がここに。
これを聴いてしまったらたたでは済まされません。


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北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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