BMX Bandits / The Day Before Tomorrow (1986)

今月のBMX Banditsも旧ブログからの転載です。『The Day Before Tomorrow』(1986)という2枚目のシングル盤です。
BMX Banditsにとって2枚目のシングルです。内容と何ら関係のないジャケット・デザインなのですが、彼らのディスコグラフィーを振り返ってみますと割とまともな方です。
手持ちのシングルは4曲入りの12インチ盤でして、本作からべーシストにJoe McAlinden、ドラマーにFrancis Macdonaldがそれぞれ正式にグループに加入しました。
約10年後に出戻るJim McCullochがThe Soup Dragons結成のために去って行きますが、ここでBMX Banditsにとって磐石の布陣が整った訳です。
M1「The Day Before Tomorrow」と言えば、実はStephen Pastelが彼らのデビュー・シングルに相応しいと考えていたものの、最初の録音が不調に終わったために『Sad?/E102』に差し替えられたという曰く付きの1曲です。
Stephen Pastelが推していただけあって、素直でわかり易い旋律と心温まる演奏が奏功しています。
M2「What A Wonderful World」は勿論、Louis Armstrongの名唱で有名な「この素晴らしき世界」のカヴァーです。
恐ろしいまでに気の抜けたこれ以上にないほどの脱力カヴァーに仕上がっていますが、芸達者なJoe McAlindenによるヴァイオリンが大活躍する名演と言えるのではないでしょうか。勿論、歌い手としてのDuglas T. Stewartも面目躍如です。
M3「Johnny Alucard」はいつものパーティー・バンドぶりを発揮させたはちゃめちゃな1曲です。
この直後に謎の偏執的なシュプレヒコールのようなものが挿し込まれています。
M4「Sad!」は件のデビュー・シングル『Sad?/E102』に収録されている「Sad?」の勢いを抑え込んだ再録音ヴァージョンです。平たく言うと落ち着いたボサノヴァの感触が特徴です。
個人的にはやはりこちらのM4「Sad!」の方が耳馴染みが良いことに変わりありません。
以上のように懐かしさで胸がいっぱいになりますね。
Creation Records時代が好みではあるんですが、このデビュー当時がやはりいちばんBMX Banditsらしいのも当たり前と言えば当たり前なんですよね。