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The Byrds / Younger Than Yesterday (1967)

youngerthanyesterday
The Brydsの『Younger Than Yesterday』(1967)、4枚目のアルバムです。
Bob Dylanカヴァーも収録されてはいますが、サイケデリック色が強く感じられる1枚ですよね。その割りには尺の短い収録曲が多いので、もの足りなさがありますね。


ひとつ後の『The Notorious Byrd Brothers』(1968)も内容が抜群ですし人気がありますけれども、『Sweetheart Of The Rodeo』(1968)でカントリー・ロックへと完全に傾斜する以前の中ではいちばん好きなアルバムです。
紙ジャケットCDを買いそびれてしまったことを未だに悔やんでいたりするのです。


本作と言えば何はともあれM1「So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star」だとは思います。いきなりのトランペット導入がより目を惹くシングル曲でもありヒット曲。
この1曲のお陰で最初は敬遠していたのかも知れませんね、実は。この出だしからして、ちょっと想像していたのとは違うなと思い込んでいたんですよ。


M2「Have You Seen Her Face」もM3「C.T.A.-102」もすごく爽やかなメロディーを持っていますね。特にM3「C.T.A.-102」には奇怪なのにどこか可愛らしさもあるノイズと気色悪い声色が乗っかるところがよろしいですね。


M4「Renaissance Fair」にはですね、これまた本当に美しい12弦ギターの音色に心が洗われます。好きですね、こういうのも。名曲です。


お次のM5「Time Between」や終盤のM10「The Girl With No Name」は既にカントリー丸出しな訳です。この辺りは飛躍し過ぎではないかと心配になるようなアルバム構成なんですよね。


ラテン・ロックなM1「So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star」にM9「My Back Pages」、それから別録音とは言え約1年前のシングル曲でもあったM11「Why」まで収録されていることもありますし。サイケデリックなだけでなくカントリーの色濃い内容でもあると言いましょうか支離滅裂訳ですよね。
しかも、今回はあのGary Usher制作なんですよね。おまけついでにあのClarence Whiteまでも参加しておりますし。
ちょっとした闇鍋じゃないですか、これは。


そうなりますと本盤、『Younger Than Yesterday』を大好きな理由はM6「Everybody's Been Burned」という1曲にあるかも知れませんね。David Crosby作品としては件の『The Notorious Byrd Brothers』の現行版CDに追加収録された「Triad」と並ぶお気に入りだったりします。
幽玄の美、ですね。魂ごと根こそぎ持って行かれそうなほどにぞっとする美しさです。


一方で同じDavid Crosby作のM8「Mind Gardens」は酩酊感が強過ぎなんです。その危なっかしさも魅力なんですけれども。
未発表だった初期テイクと思しきM15「Mind Gardens (Alternate Version)」も強烈なんですよね。


Legacy Recordingsから再発された現行のCDは今回も追加収録曲が充実していますね。雰囲気たっぷりながらDavid Crosbyらしい着地点がおぼろげなM12「It Happens Each Day」に同じくDavid Crosby作としては溌剌としたシングル曲のM16「Lady Friend」とそのB面曲のM17「Old John Robertson (Single Version)」。これにはMind Gardensのギターの一節が隠しトラックとして付け加えられているなど特盛り状態でウハウハです。


得意のBob Dylanカヴァーとして従来のThe BrydsらしいM9「My Back Pages」に対しまして、追加収録曲のM14「My Back Pages (Alternate Version)」の方はサイケデリックな意匠がとても興味深い仕上がりですので、聴き応えがあり過ぎです。


The Brydsの諸作の中では見過ごされがちのかも知れませんが、過渡期に産み落とされたゆえの混沌とした様相と前へ横へと突き進み押し広げようとする逸る気持ちが交錯する貴重な瞬間が封じ込めらているような気がします。


ラガラガしています。
♪「So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star」The Byrds



キラキラしています。
♪「Renaissance Fair」The Byrds



おまけつき。
♪「Everybody's Been Burned + Captain Soul (Original 45s)」The Byrds



佳曲です。
♪「Lady Friend」The Byrds



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The Byrds 「Younger Than Yesterday」(1967)

ウエストコーストロックの源流といえばビーチボーイズが真っ先に思い浮かびますが、このバーズも忘れてはならない存在です。フォークとロックを融合し、鮮烈にデビューを飾り、以降サイケロック、ラガロック、カントリーロックと多様な音楽スタイルに姿を変えていきます。...

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No title

バーズでは気に入って聴いてましたね~。My Back Pagesの哀愁もたまりませんが、タイトル(これもディランから?)も素敵ですね。
バーズはソニーから出てるおかげで安い上にボートラも多いんでありがたいですね。Whyはボートラのバージョンの方が優れてる、なんてライナーに書いてあったようななかったような…。

いたちさんへ

いたちさん、どうも!コメント感謝です!

いたちさんもお気に召しているんですね~。周囲じゃあまり見かけることもないので、多少なりとも不安ではありましたが。
ごった煮は好きではないのですが、この時代ですからね。こういうちょっとした迷走ぶりも気に入っていますね。
ジャケット・デザインも好みだったりします。

>Whyはボートラのバージョンの方が優れてる
クレジットによると、いちばん後の録音ですね。だからと言って優れているかどうかの判断は難しいような。どれも似通っていまして差が気にならない・・・、そんなに注目してないのが本音ということで。(汗)

私も好きですね

こんばんは。
私もこのアルバム、結構好きですね。ロジャー、デヴィッド、クリスの3者3様の楽曲が楽しめるし。
なかでもクリスのカントリータッチの曲が好みです。
でもやっぱり「My Back Pages」が一番かな。
記事をTBさせて頂きました。

240_8さんへ

240_8さん、コメントとトラックバックをありがとうございました!

そうなんですよね、三者三様にして聴く方にもいろいろな受け取り方がありますよね。
最初はまったく気にならなかった1枚で、はっきり言って見くびっていたんです。今では手のひら返しですけれどもねぇ。

既にカントリー風味が漂う曲よりも、私の場合はやはりDavid Crosby浸けなんですよ~。得体の知れない魅力が満載で堪りませんです。
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北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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