The Flaming Lips / Providing Needles For Your Balloons (1994)

以前にエントリしました『Transmissions From The Satellite Heart』(1993)と次作の『Clouds Taste Metallic』(199)との狭間に発売されたThe Flaming Lipsのミニ・アルバムを取り上げてみましょう。
ペラい紙ジャケットに包まれた『Providing Needles For Your Balloons』(1994)です。
全8曲、内容としてはシングルのB面からさえも漏れてしまったような類いの欠片を寄せ集めたものです。
もっとも、好事家には大変に嬉しいブツには違いありませんよ。
M1「Bad Days」は件の『Clouds Taste Metallic』にも収録されたポップでキャッチーな、フックの利いた佳曲です。実際には初期ミックスといったところなのかも知れませんね。
牧歌的で、でも可愛らしくて。尚かつこの時期のThe Flaming Lipsにとっての頂点を極めた感が窺えます。
M2「Jets Part 2 (My Two Days As An Ambulance Driver)」、これはメジャー移籍第1弾アルバムの『Hit To Death In The Future Head』(1992)収録のお変態チューン、「Talkin' 'Bout The Smiling Deathporn Immortality Blues (Everyone Wants To Live Forever)」がもともとはシングルとして切られていまして、そのB面曲の別テイクのようです。
続きまして、Suicideのトリビュート盤に参加した際のM3「Ice Drummer」、チェロを交えた宅録のようなN4「Put The Waterbug In The Policeman's Ear」のことはそれぞれ良く判らないのですけれども、貴重な演奏ではありますね。
1993年12月、とあるインストア・ライヴの模様を収めたM5「Chewin The Apple Of Yer Eye」とM6「Chosen One」にM7「Little Drummer Boy」の3曲はもっと貴重ですね。
M5「Chewin The Apple Of Yer Eye」の方は『Transmissions From The Satellite Heart』収録曲、M6「Chosen One」はと言えばDrag City Recordsの重鎮であられるSmogのカヴァーなのですね。良い歌です。
M7「Little Drummer Boy」については演奏はヘロヘロですけれど、時節柄でしょうかきちんとクリスマス・ソングを取り上げてみるなど意外にも良識を持ち合わせているところを見せていますよ。
問題なのは最後の8「Slow Nerve Action」ですよ。
これも『Transmissions From The Satellite Heart』に収録された最凶の爆裂ナンバーなのですけれど。
このラジオ放送用音源のライヴ・テイクが鬼のように極悪です。
怒濤のヒューマン・ビートボックス(←何コレ)に導かれ、ひしゃげたギター音が吹きすさぶは断末魔の如き絶叫が発せられるはで痛快極まりませんよ。
The Flaming Lipsの本質はここにあり、を超えてアメリカン・オルタナティヴの源泉のひとつに挙げられますよ、確実に。
もともとはサウンド・トラックに提供した1曲でした。
♪「Bad Days」The Flaming Lips
戦慄のドラム・サウンド!もといヒューマン・ビートボックス!!
♪「Slow Nerve Action」The Flaming Lips
♪「Bad Days」The Flaming Lips
戦慄のドラム・サウンド!もといヒューマン・ビートボックス!!
♪「Slow Nerve Action」The Flaming Lips
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