
“酒場の見返り美人”というジャケット写真で知られる(らしい)
Elmore Jamesにとって初アルバムの
Crown Records盤に後の
Kent Records音源が追加収録された徳用盤、『
Blues After Hours』(1961)を選んでみました。
手持ちの
P-Vine Records盤CDの音源自体は
Ace Recordsから復刻されたものと同じなのでしょうけれど、ジャケット・デザインが原盤により忠実に再現されていますよ。
今までベスト盤すら聴いて来なかったのですけれど、さすがに大名曲のM1「
Dust My Broom」くらいは体験済みです。
やはり、
Ace Recordsからの『
The UK Sue Label Story』(2004)に収録されていますので。
Elmore Jamesの代名詞とも言えるスライド・ギターによる怒濤の三連リフが唸りまくるそのM1「
Dust My Broom」が最大の肝であることは確かなのですけれど本作中にも似通った楽曲がごろごろしていますし、不遜ながらしばらくすると当たり前に感じてしまうのです。
そこで気になって来るのが彼自身の歌声ですね。
感情の迸りを抑えることなく剥き出しになった歌心が縦横無尽に炸裂しまくっているのです。
周囲に止める者が居なかったのでしょうか。むしろ、煽りに煽る咆哮が木霊し執拗に弾き倒す骨太のロッキン・ブルースの連続に口あんぐりといった具合です。
そしてまた、泣く子も黙るボトルネック奏法にして必殺の三連リフを捲し立てる史上最凶とも呼べそうなブルースマン、
Elmore Jamesは意外にもシンガー・ソングライターでもあるのですね。
何かと発見の多いブルース名盤です。
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