
前回、取り上げました『
The Smiths』(1984)からだいぶ時間が経ってしまいましたけれど、今回はそんな
The Smithsの12インチ・シングル、『
Heaven Knows I'm Miserable Now』(1984)をご紹介いたします。
B面の1曲目は「
Girl Afraid」、2曲目には何故だかその初アルバムの『
The Smiths』から「
Suffer Little Children」が引っ張って来られています。
何だかこのB面にですら救いを見出せそうにないですね。
肝心のM1「
Heaven Knows I'm Miserable Now」につきましては、出だしから何とも痛ましい調子で歌われます。
内容にしてもこの世の終わりでも迎えるのではないかと心配してしまうくらいです。
それはもう相当なものです。
相反しまして、小鳥のさえずりの如く煌めくギターの細やかな響きには否応なく魅了されてしまいます。
何という残酷なまでの対比でしょう。
“
In my life why do I give valuable time to people who don't care if I live or I die”
ただひと筋の確固たる意志が露わになっておりますけれども。
このM1「
Heaven Knows I'm Miserable Now」に限らず、彼らが自分の中にも居ることは初めて聴いた時から自覚しておりました。
若者の情けなさ、身勝手さ、至らなさ、無気力さ、そんなしみったれた境遇を体現する
The Smithsを聴いて何も響くものがないのだとしたら、それはロック・ミュージックなど必要のない幸福な方々のはずなのです。なんてことを思ってみたりします。