Led Zeppelin / Houses Of The Holy (1973)

性懲りもなくLed Zeppelinについてなのです。
順当に『Houses Of The Holy』(1973)の出番です。これでローマ数字の文字化けからも解放されます。
些細ながらもこれもまた因縁浅からぬ1枚なのです。
実はこの『Houses Of The Holy』もいち度は売り飛ばしてしまったことがあるのです。
諸作の中にあっていちばんまともと思えるのがHipgnosisが手掛けた本盤のジャケット・デザインという理由から、紙ジャケットCDの売れ残りを買って聴いてはみたもののまったく馴染むことが出来なかった経緯があるのです。
10年くらい前のことだったでしょうか。
今回、わざわざこうしてじっくりと耳を傾けておりますとその素晴らしさに茫然自失。
今ここで若き日の過ちを悔い改めるべく取り上げてみました。
疾走感が溢れながらもこれまでとはひと味もふた味も違うM1「The Song Remains The Same」で幕を開けます。
Robert Plantの歌声がケロケロしていて違和感を覚えますけれども。
M2「The Rain Song」となりますと、その幻想的なメロトロンの響きには思わず引き込まれてしまいますよ。
ただひたすら美しく、永遠に続いて欲しいとさえ願いたくなるものです。
M3「Over The Hills And Far Away」までの流れなどは完璧ですね。
Led Zeppelin流ファンクのM4「The Crunge」と言えば。
10年くらい前にJames Brownを聴き始めたばかりの頃と重なりまして。そのどす黒い衝撃に撃ち抜かれてしまったこともあって、この「The Crunge」にはぎこちなさをどうしても感じていたのです。
レゲエ調のM7「D'yer Mak'er」とともにいささか居心地の悪さを感じていたのですね、実際のところ。
今ならば彼らの懐の深さというか余裕のほどをそれなりに楽しむことが出来る訳でして。
M8「No Quarter」がこれまた特異な神秘性を湛えた妖しさ満点の長尺曲です。本盤におけるいちばんの聴きどころでしょうか。
John Paul Jonesの手腕が発揮される場面が格段に増えた本盤を象徴するような1曲ですね。
その多様性ゆえに統一感が薄いのかも知れませんし深みに欠けるきらいがあったりすのかも知れません。
それでも結果的に飽きの来ない作りで一気に聴かせてしまうという罪な1枚です。
前作の『Led Zeppelin ?』(1971)で頂点を極めた彼らが魅せる妙味をふんだんに堪能することが出来る作品です。
10年前の自分に懺悔、です。
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