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Pavement / Slanted And Enchanted (1992)

slantedenchanted
さあ、後ろ向きなエントリの始まりですよ。Pavementのアルバム、『Slanted And Enchanted』(1992)でございます。
期間限定の再結成からの集金ツアー、そして旧譜の再発という話題がなければ顧みる機会などなかったであろう、本当は何年か前に拡大版が発売されたのを機に振り返るべき1枚を取り上げてみます。


多分、最初にPavementを知ったのは雑誌で、でした。1990年代初めには半分以上がそんな調子で新しい音を見つけていましたので。相性の良さそうな書き手の記事を参考にしていました。そうでなければラジオを聴くか店頭で7インチ・シングルを漁っていたという訳です。


そんな風にして手に入れてすぐに気に入ったんですが、わざわざ来日公演を観に行くまでではなかったですしすでに大変な人気だった憶えがあります。名物ドラマーも目を惹きましたよね。


勿論、肝心の音の方も実にあの時期のあの雰囲気を醸し出していたからこその人気でしたっけ。当時、薮から棒に無気力だ何だと決めつけられ呼ばれていた訳ですけれども、自分の学生時代とも重なるところがありますね。大学の入学試験に通ってひと安心、目的達成とばかりに後は何をやるのでもなく無為に時間を過ごしていたようなものです。傍らにあった音楽たちを別にいたしまして。


決してPavementだけはなかったと思いますよ。ああいう倦怠感のようなものはどこにでも転がっていましたし。実際にはThe Velvet Undergroundから受けた影響があからさまに反映されているなと真っ先に感じました。そういった手合いは掃いて捨てるほどにいましたが、上手く演っている方でしょう。


もともとStephen MalkmusScott Kannbergのふたり切りでグループを立ち上げただけありまして、素人臭さ丸出しでちんまりした印象が目立ちますし、その下心や野心ややる気のなさですとか脱力した歌に稚拙で雑な演奏には好感すら持ちましたよ。
それでも、後になって発売されました初期音源をまとめた編集盤、『Westing (By Musket & Sextant)』(1993)の音の方が当然、未整理であります。


時折、きらりと光るメロディーの良さが垣間見えるのが憎いといったところですね。
M1「Summer Babe (Winter Version)」はと言いますと、ご存知の通りに希代の名曲に間違いないです。
打って変わって破れかぶれのぶっ飛び具合、捨て鉢にしか思えない「No Life Singed Her」などは痛快極まりないですね。


結局、本作と件の編集盤のみで充足してしまってそれきりでしたので、今回のどさくさに紛れて各アルバムを揃えてみようかという気になるかと思いましたが、そうでもなかったんです。そんなもんでした。


大名曲。
♪「Summer Babe」



名曲。
♪「Trigger Cut」



破れかぶれ。
♪「No Life Singed Her」



はっちゃけています。
♪「Loretta's Scars」



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こんにちは

新大学生のコマイヌと申します。宜しくお願いします。突然ですけど、Pavement、集金に行く価値はあると思います。
後期の曲はノイズがどんどん抜けていって前向きな脱力感がアルバム全体を覆っているのが分かります。
メロディーの良さに惹かれたのなら是非ラストアルバムを手に取ってくださいよ!
(それにしてもいきなりの書き込みすみません・・・)

おたくのブログはちょくちょく見ていたんで、これからも宜しくお願いします。

No title

懐かしいですなあ散歩道(そういう訳でいいんでしたっけ)
一応全作揃えましたがやっぱり思い入れがあるのは最初の頃の作品ですね。俺はセカンドが一番聴いたかな?
それにしても彼らの再結成には何故これほどまでに心動かされないんでしょう。やっぱ時代と自分自身の若さ故の恥ずかしさみたいなもんが思い出されるからなのか知らん。あとホント同窓会的で後ろ向きな所も感じちゃって。

純粋に音だけで評価されているというのであればそれは喜ばしいですし、俺が間違っているんでしょうけど。なんか波に乗れなくて残念です。オザケンしかり。

九条コマイヌさんへ

九条コマイヌさん、はじめまして!以前からお読みいただいていたとのこと、ありがとうござます!
それから大学進学、おめでとうございます。僭越ながら助言いたしますと、良く学び良く遊んでください!一生、付き合える友人を見つけてください、何だったら永遠の伴侶も。

さて、Pavement。残念ながら献金に行く気にはなれないんですよね。YouTube動画を漁っていると余計にそんな風に思ってしまいました。だけど、コメントをいただいてほかのアルバムへの興味は湧いて来ましたよ。
その前に『Westing』のエントリが先になるかも知れません。

それにしても、Pavementってお若い方々にも人気があるんですね~。そこは素直に嬉しいっす。

kura_moさんへ

kura_moさん、こちらにもコメントをくださってありがとうございました!

ええ、散歩道ですねぇ。似合ってないと思いますけども。実は最近、「Cut Your Hair」を聴いたんですよ。2ndからのシングルですよね。基本的に既存の路線なので好みです!

再結成についてはPixiesにも心動かされなかったのでもう、仕方ない感じですね~。
Galaxie 500なら話が違うかもです。
まあ、そんなもんなんですよ、きっと。

No title

はじめまして。

私もPavement好きなバンドなんですが。あの無気力感がベルベッツから来ている、というのは、「たしかにそうかも」と思いました。どちらも何度も聴いてるバンドなのになぜか思いつきませんでしたが。あの倦怠感は、私も学生時代とかさなります。きっとそういう人は多いんでしょうね~。

またおじゃまします。

cosmosterさん

cosmosterさん、はじめまして!ご訪問、ありがとうございますね。今後もよろしくお願いいたします!

結局、初期のキレが悪いところが大好きです。本人たちはまともに演っている(演ろうとしている)のかも知れませんが伝わらないっすよね、こういううだうだしたところ。

あとThe Velvet Undergroundへの憧憬とか、からの影響ってのはやはり大きくて我々でも逃れられないものがあるんじゃないでしょうか~。The Velvet Undergroundでもロック・ミュージック自体でも良いんですが、引きずるつもりもなくてもがんじがらめにされたままだったりして。いつまでも学生気分が抜けない北沢です。
プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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