りんごのUSB
という訳で、今までまったく触れて来なかったThe Beatlesのリマスター音源のお話です。2009年9月9日に発売されたビートルズのデジタルリマスター版アルバムのUSBバージョンが登場する。リンゴの形のUSBメモリに入って、12月8日(米国時間)に発売される。価格は279.99ドル。
「Beatles Stereo USB」バージョンは全世界で限定3万本のみ販売するという(現時点では日本の公式ストアには掲載されていない)。16GバイトのUSBメモリに、デジタルリマスター盤に収録されているアルバム14作(FLAC 44.1KHzおよび320KbpsのMP3)とミニドキュメンタリー映像などのビジュアルコンテンツ、アルバムアート、写真、拡張版のライナーノートなどが入っている。
新規リマスターによるアナログ盤発売の話も持ち上がっているそばから、とうとうデータ・ファイルでの発売ですね。しかも、Apple CorpsのロゴそのままというUSBメモリの形状が可愛らしいではありませんか。
惜しむらくは国内発売の目処が立っていないの訳ですけれども。それ以上に、一向に日の目を見ないのが配信サービスと『Let It Be』のDVD化ですね。
ストリート系
2009年も終わりに近づいて来ましたが、想像以上に40周年記念という嵐が吹き荒れた年でした。
ぶっち切るぜハイウェイ
ハンドル・ネーム変更があちらではかなわなかったので、整合性をとれないのが気持ち悪くてですね。
早い話がこちらで“デジタルハリネズミ”を再び展開させます。今後ともよしなにどうぞ。
Teenage Fanclub / Sparky's Dream (1995)

今月のTeenage Fanclubは『Sparky's Dream』(1995)というシングルです。
前回の「Mellow Doubt」(1995)に続く、シングル2種バラ売り作戦の第2弾な訳ですよ。絶好調ですね。
M1「Sparky's Dream」はアルバム、『Grand Prix』(1995)の中で2曲目という位置にある重要な1曲でもありますね。
Gerald Love作品らしく無闇矢鱈にキャッチー。甘過ぎるのに爽快、そして単純明快ながらこれぞポップソングと言わんばかりの素晴らしさですよ。
M2「Burned」はご存知、Buffalo Springfieldのカヴァーですね。Teenage Fanclubの面々も大好きだという不滅のロッカー、Neil Youngによる1曲。
そのままと言ってしまえばそれまでなんですが、いかにもTeenage Fanclubらしいギターポップ仕様でもあります。
M3「For You」はRaymond McGinley作。こう言っちゃ失礼なんですが、いつもの通りに締まりのない淡々としたものです。
最後はM4「Headstand」。またもやGerald Love作。
エッジの立ったギター・リフに相反しまして甘さのあるメロディーはここでもきらりと光るものがありまして、流石です。手癖で作ったようなその軽さのために押しが弱いのは確かなんですけれどもね。
The Byrds / Younger Than Yesterday (1967)

The Brydsの『Younger Than Yesterday』(1967)、4枚目のアルバムです。
Bob Dylanカヴァーも収録されてはいますが、サイケデリック色が強く感じられる1枚ですよね。その割りには尺の短い収録曲が多いので、もの足りなさがありますね。
ひとつ後の『The Notorious Byrd Brothers』(1968)も内容が抜群ですし人気がありますけれども、『Sweetheart Of The Rodeo』(1968)でカントリー・ロックへと完全に傾斜する以前の中ではいちばん好きなアルバムです。
紙ジャケットCDを買いそびれてしまったことを未だに悔やんでいたりするのです。
本作と言えば何はともあれM1「So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star」だとは思います。いきなりのトランペット導入がより目を惹くシングル曲でもありヒット曲。
この1曲のお陰で最初は敬遠していたのかも知れませんね、実は。この出だしからして、ちょっと想像していたのとは違うなと思い込んでいたんですよ。
M2「Have You Seen Her Face」もM3「C.T.A.-102」もすごく爽やかなメロディーを持っていますね。特にM3「C.T.A.-102」には奇怪なのにどこか可愛らしさもあるノイズと気色悪い声色が乗っかるところがよろしいですね。
M4「Renaissance Fair」にはですね、これまた本当に美しい12弦ギターの音色に心が洗われます。好きですね、こういうのも。名曲です。
お次のM5「Time Between」や終盤のM10「The Girl With No Name」は既にカントリー丸出しな訳です。この辺りは飛躍し過ぎではないかと心配になるようなアルバム構成なんですよね。
ラテン・ロックなM1「So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star」にM9「My Back Pages」、それから別録音とは言え約1年前のシングル曲でもあったM11「Why」まで収録されていることもありますし。サイケデリックなだけでなくカントリーの色濃い内容でもあると言いましょうか支離滅裂訳ですよね。
しかも、今回はあのGary Usher制作なんですよね。おまけついでにあのClarence Whiteまでも参加しておりますし。
ちょっとした闇鍋じゃないですか、これは。
そうなりますと本盤、『Younger Than Yesterday』を大好きな理由はM6「Everybody's Been Burned」という1曲にあるかも知れませんね。David Crosby作品としては件の『The Notorious Byrd Brothers』の現行版CDに追加収録された「Triad」と並ぶお気に入りだったりします。
幽玄の美、ですね。魂ごと根こそぎ持って行かれそうなほどにぞっとする美しさです。
一方で同じDavid Crosby作のM8「Mind Gardens」は酩酊感が強過ぎなんです。その危なっかしさも魅力なんですけれども。
未発表だった初期テイクと思しきM15「Mind Gardens (Alternate Version)」も強烈なんですよね。
Legacy Recordingsから再発された現行のCDは今回も追加収録曲が充実していますね。雰囲気たっぷりながらDavid Crosbyらしい着地点がおぼろげなM12「It Happens Each Day」に同じくDavid Crosby作としては溌剌としたシングル曲のM16「Lady Friend」とそのB面曲のM17「Old John Robertson (Single Version)」。これにはMind Gardensのギターの一節が隠しトラックとして付け加えられているなど特盛り状態でウハウハです。
得意のBob Dylanカヴァーとして従来のThe BrydsらしいM9「My Back Pages」に対しまして、追加収録曲のM14「My Back Pages (Alternate Version)」の方はサイケデリックな意匠がとても興味深い仕上がりですので、聴き応えがあり過ぎです。
The Brydsの諸作の中では見過ごされがちのかも知れませんが、過渡期に産み落とされたゆえの混沌とした様相と前へ横へと突き進み押し広げようとする逸る気持ちが交錯する貴重な瞬間が封じ込めらているような気がします。
Daniel Johnston / Speeding Motorcycle (1990)

久々のDaniel Johnston、新作の『Is And Always Was』(2009)が発売されるということと先日のYo La Tengo繋がりということで。
大好きなThe Flaming LipsやYo La Tengoと同じ時期にDaniel Johnstonも新作アルバムを出すなんて奇跡としか思えませんよ。のっぴきなりませんです。
とんでもなく金欠だというのにかかわらず新作の注文を済ませたものの、まだ届いていないので、これを機会に過去へ遡ってみます。しかも、旧ブログの『とばすぜ ハイウェイ』からの転載という手抜きのエントリなのです。
今回は久し振りにDaniel Johnstonについてご紹介いたします。何かと語られることの多い(気がします)『Speeding Motorcycle』(1990)です。
SOLというワン・ショット契約のレーベルから発売された7インチ・シングルです。
このM1「Speeding Motorcycle」は、Yo La Tengoの簡潔な演奏に合わせてDaniel Johnstonが電話越しに歌を吹き込んだという伝説とも奇跡とも言えるセッションの賜物です。
心なしか、いえ明らかに興奮しつつもYo La Tengoとの共演を楽しんでいる様子が伝わって来ますよ。
そのYo La TengoやThe Pastelsなどがカヴァーしているお陰で随分と有名になっていますので、彼の代表曲と呼んでも差し支えないでしょう。
もともとのM1「Speeding Motorcycle」自体は『Yip / Jump Music』(1989)に収録されています。
B面のM2「Do You Really Love Me」は観客の声援なども生々しく紛れ込んでいるライヴ音源でして、ギターの弾き語りです。
BMX Banditsが『Star Wars』(1992)の中でカヴァーし、現在でもライヴの場で演奏しているという名曲です。
肝心のDaniel Johnstonによる弾き語りについてはテンポがずれて行きピッチは合っておらず、歌声も酷い有り様です。
これを聞いて怒り出す方が居ても不思議ではありません。
ですけれど。
そんな彼の歌と演奏に観客たちは沸きに沸いています。
それがなぜかと言えば答えは随分と簡単なのです。
Daniel Johnston自身が作り上げた大切な歌を歌い出すその姿。
止むに止まれずに吐き出される心のひだが言葉として発せられています。
そして、感情の赴くままに紡ぎ出されるメロディー。
それが幸運なことに非常に親しみ易く、一切の無駄がない美しいメロディーなのです。
たったそれだけのことが観客を、聴き手を熱狂させるのです。
Daniel Johnstonほど音楽に対して真摯に向き合っているミュージシャンは居ないのではないでしょうか。
そんな訳で7インチ・シングルがクルクルと回っているのを眺めているだけでも甘酸っぱい気持ちになるのはさておいて。この先もDaniel Johnstonにはまだまだ音楽を創って行って欲しいのは勿論なのですが、後ろも振り返ってみようかと考えています。



